mintsBar 今夜のお客様は 土岐麻子さん です  

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”今夜のお客さまは
      土岐麻子さんです。“

【土岐麻子 ときあさこ プロフィール】

’76年3月22日東京生まれ。’97年にCymbalsのリードシンガーとしてデビュー。5枚のアルバムと8枚のシングルをリリースし、’04年1月に惜しまれつつ解散。同年2月に『STANDARDS 〜土岐麻子ジャズを歌う〜』でソロ・デビュー。共同プロデュースにあたったのは、実父でもある日本屈指のサックス奏者・土岐英史。11月にはジャズ・カバー集第2弾『STANDARDS on the sofa〜土岐麻子ジャズを歌う〜』をリリース。マイケル・ジャクソンからローリング・ストーンズまで、ジャズ・アレンジによる異色のカヴァーが話題となった。’05年9月には待望のオリジナル・アルバム『Debut』を、そして11月、STANDARDSシリーズ第3弾『STANDARDS gift 〜土岐麻子ジャズを歌う〜』、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤『LIVE AT VILLAGE VANGUARD』を立て続けにリリース。’06年12月に邦楽のカヴァー・ミニ・アルバム『WEEKEND SHUFFLE』をリリースした後、’07年11月にシティ・ポップなどのテイストをあしらったオリジナル・アルバム『TALKIN’』でメジャー・デビューを果たした。

土岐麻子 公式ホームページ
http://www.tokiasako.com/

除川: いらっしゃいませ。mints Barへようこそ。
土岐: 初めまして除川さん、長門さん。白井良明さんから教えていただいて、前々から一度、お邪魔したいなと思っていたんですけど、素敵なお店ですね。
長門: ありがとう。良明くんとは事務所が同じなんだっけ?
土岐: そうなんです。いつも可愛がっていただいていて。
除川: 早速ですが、お飲み物はいかがいたしますか?
土岐: それでは、ホット・ティフィン・ミルクをお願いします。

土岐: 実は今日、ここにお邪魔する前に大貫妙子さんとリハーサルを一緒してきたんですよ。WOWOWの番組企画で一緒に歌わせていただいて。すごく緊張しました(笑)。
長門: ああ、そうだったの(笑)。曲は何を歌ったんですか?
土岐: はい、シュガー・ベイブの「いつも通り」を。大貫さんに“すごく難しい歌ですね”って言ったら、“そうなのよ。自分で作ったはいいけど、いざ歌ってみると本当に難しくて”って(笑)。
長門: あの曲は、コードとか、すごく凝っているもんね。スティーヴィー・ワンダーの奥さんのシリータの曲からヒントを得て作ってるんだよね。
土岐: そうだったんですね。
長門: シュガー・ベイブといえば、山下(達郎)くんとは小さい頃から、何度も会ってるんでしょ?
土岐: そうですね。父親(土岐英史)がバックでサックスを吹いていたので、物心ついた頃には、達郎さんのライヴを観に行っていた記憶があります。
長門: ちなみにお父上は家では、どういう音楽を聴いていたんですか?
土岐: ブラック・ミュージックばかりでしたね。よく覚えているのは、チャカ・カーンとか。昔からマーヴィン・ゲイのヴォーカルを聴きながら、サックスの練習をしていたみたいなんですよ。憧れの楽器奏者っていうのは特にいなかったらしんですけど、マーヴィン・ゲイには、すごく影響を受けたみたいです。
長門: お父上とは僕、年齢が一緒なんですよ。
土岐: そうなんですね!
長門: 音楽業界では、お父上のほうが大先輩だけどね(笑)。ちょうど僕が現場を離れた時期に、お父さんが山下くんのライヴやレコーディングでサックスを吹くようになったり、何度か(吉田)美奈子のライヴでお会いしたことはあったんだけどね。それが、たぶん’76年かな。
土岐: ちょうど私が生まれた年ですね(笑)。
長門: ’76年生まれ?日本の名盤がたくさん生まれた年だね。美奈子の『FLAPPER』や、細野(晴臣)さんの『泰安洋行』、アッコちゃん(矢野顕子)の『ジャパニーズ・ガール』、山下くんの『サーカス・タウン』、(鈴木)茂の『LAGOON』……あとは、さっき話題にあがった、ター坊(大貫妙子)の『グレイ・スカイズ』も全部、同じ年にリリースされている。そう考えると、土岐さんは、まさに日本のポップスの申し子みたいな存在だね(笑)。
土岐: いえいえ(笑)。でも、洋邦問わず自分が生まれた年に発表された作品には、好きなものが不思議と多いんですよ。
長門: ところで、お父さんが出演していたジャズのライヴも小さい頃から観にいってました?
土岐: はい……たぶん(笑)。子供の頃の私にとっては達郎さんとか美奈子さんのライヴの方が楽しみだったんですよね。
長門: こうやって話を聞いていると、音楽的にはすごく恵まれた環境だよね。
土岐: 本当にそうですよね。でも、そうやって当たり前のように、いつでも音楽と身近に接してきたので、自分が音楽が好きだとか、まったく意識したことがなかったんですよ。それで、小学校に入ると、クラスの友達がテレビの歌番組を観るようになって、アイドルの曲を歌いはじめるようになるんですけど、私は、それがどうしても好きになれなかったんです。今聴くと、純粋に“いい曲だな”と思えるものも、たくさんあるんですけど。当時は、子供心ながら、いわゆるアイドル的な歌い方に馴染むことができなくて。どこか異質なものを感じていたというか。
長門: そりゃそうだよね。小さい頃から山下くんとか美奈子の生歌を聴きながら育ってきたわけだから(笑)。

長門: その後、大学時代にシンバルズに参加することになるわけだけど、シンバルズがメジャー・デビューした’99年は、ちょうど“渋谷系”が一段落した時期になるのかな?
土岐: そうですね。いわゆるフォロワー的なアーティストが出始めた時期ですね。
長門: ピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギターみたいな匂いもありつつ、あとはスウイングアウト・シスターとか、そのあたりの洋楽アーティストのテイストも、さりげなく感じられたり。シンバルズには、当時、すごく面白いバンドが出てきたなっていう印象があるんだよね。楽曲でいえばアルバム『Love You』に収録されていた「怒れる小さな茶色い犬」と「時間を名乗る天使」。あの2曲が同じアルバムに同居しているのが、すごく格好いいなと思った。
土岐: あの2曲に関していえば、曲作りのモチベーションはまったく正反対でしたね。「時間を名乗る天使」は、迷いながらすごく時間をかけて作ったんですけど、「怒れる小さな茶色い犬」は、スタジオでローリング・ストーンズの真似みたいなことをしていたら、“これは曲にしたほうがいいんじゃない?”みたいな雰囲気になって。ちょっとフザけながら作ったような感じだったんですよ(笑)。
長門: 特に「時間を名乗る天使」からは、僕が現場に携わっていた’70年代の美奈子とかユーミンの楽曲と、どこか相通じる空気を感じたんだよね。そこは、やっぱりお父上のDNAとか、あとは美奈子のライヴを小さい頃から観ていたり、そういった体験が影響しているのかもね。
土岐: それはすごくあると思います。それから、私が大学生の頃って、音楽をやっている周りの友達が、ティン・パン・アレー関連の作品とか、’70年代のポップ・ミュージックをよく聴いていたんですよ。その頃、私自身も、タイムリーな音楽にグッとくることが少なくて、’70年代の音楽を今の音楽みたいな感覚で聴いていたんですね。
長門: それが嬉しいんだよね。先入観なしに聴いて気に入ってくれるっていうのが。
土岐: 鈴木茂さんの『BAND WAGON』とか、本当にヘヴィ・ローテーションで聴いてましたね。

長門: それで、’03年のバンド解散後には、お父さんと共演したジャズのスタンダード集を3作リリースするわけだけど。あれは、どちらからアプローチしたんですか?
土岐: 私からです。実は隠れキリシタンみたいに(笑)、家でこそこそジャズを聴いていたんですが、どこか気恥ずかしいというか、ジャズを聴いているっていうことを、なかなか父に言い出せなくて。いざ勇気を振り絞って“アルバムで共演したいんだけど”って話をしたら、本当にビックリされちゃったんですよ(笑)。“え! ジャズ、好きなの!? ”って(笑)。どうも父からしたら、私にはジャズがウケないと思っていたみたいですね。
長門: ジャズを歌ってみようと思った具体的なきっかけはどういうものだったんですか?
土岐: ジャズという音楽そのものに興味がありつつも、いろんな作品を聴いては、いまいち深く理解できないっていうことをずっと繰り返していたんです。でも、あるときに、父親から貰ったチェット・ベイカーの『チェット・ベイカー・シングス』を何の気なしに聴いていたら、うまく説明できないんですけど、ジャズの聴き方が、すごく“分かった”気がしたんですよね。それまでは、いわゆるフェイクだったり、自分なりのスタイルでスタンダード・ナンバーを崩して歌うシンガーの作品を多く聴いていたんですが、チェット・ベイカーのストレートな唱法を通じてスタンダード・ナンバーが持っている楽曲そのものの良さが分かったというか。結果として、自分の中にあった、ジャズという音楽に対する構えが一気に無くなった気がしたんです。私がジャズを歌ったら、フェイクもしないし、すごくポップスっぽく聴こえるんだろうなと思いますね。それでポップス・ファンがジャズを聴くキッカケになればいいなと思って、自分でもジャズを歌ってみたいなと思ったんです。
長門: でも、土岐さんのファンで、この作品を入り口にジャズを聴きはじめた人も、実際、たくさんいると思うよ。
土岐: すごく、ありがたいことですよね。おかげさまで、みなさん、“すごく分かりやすい”って言って下さるし。
長門: 一言でいえば、爽やかなんだよね。聴いていて、すごく気持ちいい。このシリーズは今後も続けていく予定?
土岐: 出来れば引き続きリリースしていきたいですね。森山良子さんとか、(水森)亜土ちゃんとか、ジャズのアルバムを定期的に出す方っていらっしゃるじゃないですか。いわゆるジャズ・ヴォーカリストではない人が歌っている、解釈の違うジャズ・アルバムが私は昔から大好きで。自分でもそういう作品を出していきたいなと思ってるんです。
長門: ジャズ・ヴォーカリストじゃない人が歌うジャズっていうのは、また独特の味わいがあるんだよね。それってチェット・ベイカーに関しても、同じことが言えるのかもしれないね。彼も本来は、トランペッターだから。ところでお父上は歌わないの?
土岐: それが、まったく歌わないんですよ。
長門: 実は、こっそり歌ってたりして(笑)。
土岐: 歌っているところを1回も聴いたことないんですよ。歌に対して変なトラウマがあるみたいで(笑)。
長門: デュエットしたら、いい雰囲気かもしれないよ。
土岐: なるほど。……今度、頼んでみようかな(笑)。

長門: 現在、次作のレコーディングに取り掛かってるんでしたよね。
土岐: はい、ちょうど作業も佳境に差し掛かっていて。現在、残すところ、あと2曲になりました。
長門: 次はミニ・アルバム?
土岐: そうです。カヴァーが5曲とオリジナルが2曲で。
長門: カヴァーの内容はもう明かしちゃっても大丈夫ですか?
土岐: はい。松田聖子さんの「小麦色のマーメイド」、大貫妙子さんの「都会」、フォートップスの「リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼア」、マドンナの「ラ・イスラ・ボニータ」、真心ブラザーズの「サマーヌード」の5曲です。
長門: どうして今回、再びカヴァー中心の作品を作ろうと思ったんですか?
土岐: 去年の冬にオリジナル・アルバムを出して、また今年も秋頃にオリジナル・アルバムを出したいなと思ってるんですけど、その間に、軽いタッチの、手に取りやすい作品を出してみたいなと思ったんです。
除川: でも、カヴァー・アルバムの『WEEKEND SHUFFLE』(’06年)から、オリジナル・アルバムの『TALKIN’』 (’07年)への流れもすごく自然でしたよね。
土岐: 『WEEKEND SHUFFLE』みたいな作品を作らないと、『TALKIN’』の世界観が伝わりづらいんじゃないかと思ったんですね。今まで好きで聴いてきた曲とか、憧れを抱いている曲を1枚の作品にまとめることによって、自分の理想とする世界観が、聴いてくれる人に、よりはっきり伝わるんじゃないかと思って。
長門: 『WEEKEND SHUFFLE』に収録されたカヴァー曲は、どんな基準で選んだんですか?
土岐: アルバムの隠れテーマが“シティ”だったんですけど、いわゆる“シティ・ポップ”って枠じゃなくても、都会的な雰囲気を感じる曲って、たくさんあると思うんですね。たとえば、『WEEKEND SHUFFLE』ではケツメイシの「夏の思い出」という曲を取り上げているんですけど、実を言うと、私、それまでケツメイシのアルバムって1枚も持ってなかったんですよ(笑)。それでも、曲を覚えちゃうぐらい、あちこちで流れていたんで、これこそ街の音楽だなと思って。実際、すごくいい曲だし、これは是非ともカヴァーしたいなと思ったんです。
除川: 『WEEKEND SHUFFLE』っていうタイトルは、筒井康隆さんの同名小説からインスパイアされたんですか?
土岐: そうですね。私が小学校1年生のときにテレビで『俺たちひょうきん族』が始まったんですけど、エンディング・テーマがEPOさんや達郎さんだったりして、それを聴くと都会的な週末が始まるというか、どこか素敵な場所に連れていってもらえるような雰囲気を感じていたんです。もしかしたら、いまだにその感覚を無意識に求めているところがあるのかもしれないですね。そういう意味でも、私が音楽を作っていくうえで、“ウィークエンド”と“シティ”っていうのは、絶対に切り離すことのできない重要なキーワードなんです。
長門: じゃあ、土岐さんのルーツが垣間見えたところで、ここからは具体的に影響を受けたレコードを紹介してもらおうかな。
「 レナード・バーンスタイン指揮&ナレーター ニューヨーク・フィルハーモニック
   / プロコフィエフ交響的物語「ビーターと狼」 サン・サーンス組曲「動物の謝肉祭」 」
  −この作品を思い出して、コンセプト・アルバム風のアルバムを作ったことも−
 チェッカーズと迷ったんですが(笑)、たぶんこれが初めて買ったレコードですね。私、クラシック・バレエをやっていたんですが、幼稚園のときに「動物の謝肉祭」の公演をやることになって、その時に、親にねだって買ってもらいました。短篇集みたいな感じで、1曲1曲が本当に短くて、曲のテーマも水族館とかカンガルーとか全部、動物にちなんだものばかりなんです。“象の音を表している楽器はこれで”みたいな感じで、レナード・バーンスタイン本人がナレーションをしているんですが、それもすごく楽しくて(笑)。

「 筋肉少女帯 / 月光蟲 」
  −メンバーの音楽性や服装もバラバラだったり、型にハマってないところも好きでした−
 バンド・ブームの頃、原宿のホコ天の近くに住んでいたので、日曜日になるとバンドの演奏が聴こえてくるんですよ。それがすごく楽しそうで、“音楽”というよりも“バンドをやる”ということに徐々に興味を覚えるようになったんです。筋少を初めて観たのは、中学3年か高校1年のとき。TVKの番組で演奏シーンが流れていたんですけど、メタルっぽいサウンドに乗せて、文学青年風の人が、歌というよりも詩を絶叫しているような感じで、すごくインパクトがありました。

 「 江利チエミ / CHIEMI SINGS 」
  −私のやりたいことが、当時は結構、普通に行なわれていたんだなと思いました−
 私が選曲をさせていただいた江利チエミさんのコンピレーション・アルバムです。選曲するにあたって、民謡も含めて、チエミさんの莫大な量の曲を聴かせていただいたんですけど、ジャズをポップス的に聴かせるというか、本当にすごいシンガーなんだなと、しみじみ思いました。チエミさんはスタンダードに日本語の歌詞を乗せて歌っているものが多いんですが、そういう楽曲が’50〜60年代は普通にヒット・チャートに入っていたわけだから、今考えるとすごくいい時代ですよね。

 「 リンダ・ルイス / セカンド・ネイチャー 」
  −このアルバムで初めてヴォーカルというものを意識して聴くようになりました−
 実は最初にヴォーカリストとして誘われたバンドが、シンバルズだったんです(笑)。それまでは、ずっとギターを担当してきて、“歌を歌って”とか言われると、父親同様、しょぼんとしちゃうタイプだったんですけど(笑)、そんなときに出逢ったのが、この作品ですね。それまでは家でCDを聴く時も、演奏を優先して聴いていたんですが、このアルバムで初めてヴォーカルというものを意識して聴くようになったんです。それが、たしか大学2年ぐらいだったんで、今思えば、かなり遅いんですけど(笑)。

 「 ジャクソン・ファイヴ / ジャクソン・ファイヴ・アンソロジー 」
  −自分の感性を爆発させながら歌っている感じに憧れています−
 ジャクソン・ファイヴも、リンダ・ルイスと同じくらいの時期によく聴いていました。ソロになってからも大好きなんですけど、子供の頃のマイケル・ジャクソンが本当に可愛くて(笑)。子供ならではの、計算がないというか、身体を使いきれていない感じのヴォーカルもすごくいいですよね。

 「 ダニー・ハサウェイ / ライヴ 」
  −どんな気分のときに聴いても、最後はすごく楽しい気分にしてくれるアルバム−
 一番最初にダニー・ハサウェイの作品を聴いたのが、このライヴ・アルバムだったんです。最初に彼の事を知った時、“まだライヴをやっているのかな”と思って調べてみたら、かなり前に亡くなっていたことが分かって。このライヴ・アルバムは、こんなお客さん本当にいるんですか!?って思っちゃうぐらい、場内の盛り上がりもすごくて(笑)。聴くたびに、ここにいたかったなと思ってしまいます。

 「 山下達郎 / フォー・ユー 」
  −ジャケットの雰囲気も含めて、都会の大人が集まる場所を想像していました−
 小さい頃に、達郎さんのレコードを聴いて、すごく都会的な雰囲気を感じていたんですよ。私は、いわゆる都会に住んでたんですけど、大人が集まる華やかな場所が、東京のどこか他の場所にあるんじゃないかと思っていて。でも、いざ自分が大人になったら、達郎さんのアルバムから想像するような場所が存在しないっていうことがよく分かりました(笑)。このアルバムの中で展開されている世界って、いわゆる架空都市という感じですよね。

 「 スティーヴィー・ワンダー / キー・オブ・ライフ 」
  −いまだに、聴くと子供の頃の能天気な楽しさみたいなものを思い出します−
 スティーヴィーも家でよくかかっていました。このアルバムも、ちょうど私が生まれた年に出ているんですよね。スティーヴィーのこの時期の作品は、どれも大好きなんですけど、今日は子供心に一番分かりやすいというか、踊れる曲が多い、このアルバムを選びました。歌詞を読むとかなり深いことが書かれているんですが、そういうこととは関係なく、子供にも伝わるような躍動感が作品全体から感じられますね。

 「 シュガー・キューブス / ライフ・イズ・トゥー・グッド 」
  −今年、初めて生で観たんですが声の威力が神がかっていました−
 ビョークも大好きなシンガーなんですけど、特に思い入れがあるのはシュガー・キューブス時代。本能で歌っているというか、まったく作りこんでない感じがいいなと思っていて。2月に観たビョークは、原始の頃から存在していた感じというか、スピリチュアルで、ちょっと怖いぐらいに“強い”歌声でした。自分が持っていない歌声だけに、やっぱりすごく憧れてしまいます。

 「 アストラッド・ジルベルト / おいしい水 」
  −この人の歌声には、技術を超えた素晴らしさがありますよね−
 シンバルズ時代、一時期、歌うことに煮詰まってしまったことがあったんです。プロとしてやっていく以上、型にハマった歌の上手さも必要なのかな、とか真剣に思い悩んでいたんですが、そんなときにアストラッドを初めて聴いて、救われたような気がしたんです。後年の作品では歌も上手くなって、自信にみなぎった感じが伝わってくるんですけれど、個人的には、このアルバムからもっとも強いインスピレーションを感じます。

 「 ブロッサム・ディアリー / シングス・ブロッサムズ・オウン・トレジャーズ 」
  −聴いていて、すごく粋な感覚を覚える瞬間があります−
 特徴的な声の持ち主なので、一般的には“歌姫”的なイメージが強いと思うんですけど、きっと彼女は、楽曲の良さだとか音楽全体の魅力を伝えるタイプのヴォーカリストじゃないかと思うんです。歌声からヴォーカリストとしてのエゴみたいなものを感じないんですよね。ヴォーカリストだったら気持ちよくなって声を伸ばしたくなるようなところを、あえて抑えているというか。きっと、すごくセルフ・プロデュース能力のある人なんでしょうね。


〜土岐麻子さんの11枚〜
レナード・バーンスタイン指揮&ナレーター ニューヨーク・フィルハーモニック
/プロコフィエフ交響的物語「ビーターと狼」 サン・サーンス組曲「動物の謝肉祭」
アナログレコード
筋肉少女帯
/月光蟲
トイズファクトリー TOCT-88003
江利チエミ
/CHIEMI SINGS
キング KICS-2468
リンダ・ルイス
/セカンド・ネイチャー
ソニーミュージックエンタテイメント
SRCS-7754

ジャクソン・ファイヴ
/ジェクソン・ファイヴ・アンソロジー
ユニバーサル(モータウン)
UICY-6656
ダニー・ハサウェイ
/ライヴ
ワーナー(アトコ)
AMCY-3036
山下達郎
/フォー・ユー
BMGファンハウス
BVCR-17018

スティーヴィー・ワンダー
/キー・オブ・ライフ
ユニバーサル(モータウン)
UICT-3007
シュガー・キューブス
/ライフ・イズ・トゥー・グッド
ユニバーサル(マザー)
POCP-2528
アストラッド・ジルベルト
/おいしい水
ユニバーサル(ヴァーヴ)
UCCU-9202
ブロッサム・ディアリー
/シングス・ブロッサムズ・オウン・トレジャーズ
Celeste
CMYK-6209

  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談義が続いています。

土岐麻子さんのオーダー
ホット・ティフィン・ミルク
ティフィン・ティー・リキュール 30ml
ホット・ミルク 適量
シナモン・パウダー

news!!
    レコミンツ(PART-1&2)にて、下記の土岐麻子関連のCDをお買い上げの方に
    オリジナル特典(本人サイン入りオリジナル・ポストカード)をプレゼントいたします!
    数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。
       ○TALKIN'
       ○TOKI ASAKO REMIXIES WEEKEND SHUFFLE
       ○WEEKEND SHUFFLE
       ○Debut
       ○STANDARDS gift〜土岐麻子ジャズを歌う〜
       ○STANDARDS on the sofa〜土岐麻子ジャズを歌う〜
       ○STANDARDS standards〜土岐麻子ジャズを歌う〜
       ○V.A./ISLAND MOON 〜GROOVE LOVE〜
       ○V.A./cappuccino due
       ○Reggae Disco Rockers/BEUTIFUL GIRLS-THE STRICTLY BEST WORKS COLLECTION

○TALKIN' ○REMIXIES WEEKEND SHUFFLE ○WEEKEND SHUFFLE
○Debut ○STANDARDS ○STANDARDS on the sofa〜土岐麻子ジャズを歌う〜 ○STANDARDS gift〜土岐麻子ジャズを歌う〜
○V.A./ISLAND MOON 〜GROOVE LOVE〜 ○V.A./cappuccino due ○Reggae Disco Rockers
/BEUTIFUL GIRLS-THE STRICTLY BEST WORKS COLLECTION






     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。

mints Barは、コチラのお店をお借りして、撮影しています。


ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階
Tel : 03-3387-7906



第二十二夜  おわり



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