mintsBar 今夜のお客様は 今夜のお客さまはChocolat&Akitoさん です  

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”今夜のお客さまはChocolat&Akitoさんです“
【ショコラ プロフィール】
'78年、東京生まれ。'97年、シングル「ブルーでハッピーがいい」でデビュー。現在までに4枚のアルバムを発表。'98年、GREAT3の片寄明人と結婚。'05年にパートナーである片寄とのユニット、Chocolat&Akito(ショコラ&アキト)を結成。同年1stアルバム『Chocolat&Akito』をリリース、'07年にはChocolat&Akito で2ndアルバム『Tropical』を発表。またアクセサリー“corchea”(コルチェア)や帽子のデザインも手がけ、2008年春にはアレキサンダーリーチャンと合同で“corchea”初の展示会を成功させた。またHPにて、オーダーによる1点ものアクセサリーの販売も開始。
www.chocolat.ne.jp
さらに自身が企画、ウテナと共同開発したナチュラル・スキンケア“マジアボタニカ”もインターネット通販で好評発売中。
www.magiabotanica.jp

【片寄明人 かたよせあきと プロフィール】
'68年東京生まれ。'95年、GREAT 3のヴォーカル&ギターとしてデビュー。現在までに7枚のアルバムを発表。高い音楽性と個性で、日本のミュージック・シーンに確固たる地位を築いている。'00年には単身渡米、トータス、ザ・シー・アンド・ケイク、ウィルコのメンバーらと、ソロ・アルバム『Hey Mister Girl!』を制作、シングル「Veranda」では ショコラとデュエット。共にCM出演も果たし、話題になる。'01年にはブラジルの秘宝、マルコス・ヴァーリの全7枚再発プロジェクトも監修。近年はChocolat&Akitoで活動する一方、プロデューサーとしてSister Jet、サクラメリーメン、GO!GO!7188、フジファブリック、ザマギ (The Mind Gift)など多くのアーティストの作品を手がけている。
http://www.great3.com/akito/

Chocolat & Akito Myspace
http://www.myspace.com/chocolatakito
除川: いらっしゃいませ。mints Barへようこそ。
片寄&ショコラ: 長門さん、こんばんは。
長門: 片寄君、ショコラさん、こんばんは。今日はご夫婦でいらしてくれて、ありがとう!
片寄: 知り合いのミュージシャンから、このお店のことを前からよく聞いていたので、是非とも一度お邪魔したいなと思っていたんですよ。
ショコラ: 明人の先生みたいな方がやっているお店だというんで、私も楽しみにしていたんです(笑)。
除川: 早速ですが、お飲み物はいかがいたしますか?
ショコラ: 何か甘酸っぱいカクテルをお願いしたいんですけど。
除川: それでは、ジン・ベースのノースサイドはいかがですか? すごくフルーティで飲みやすいですよ。
ショコラ: じゃあ、私はそれをお願いします。
片寄: せっかくなので、僕もカクテルを作ってもらおうかな。僕はアプリコットが好きなんですけど、何かオススメのカクテルはありますか?
除川: そうですね。じゃあ、アプリコットとオレンジ・ジュースをベースにしたパラダイスはいかがですか?
片寄: 美味しそうですね。じゃあ、僕はそれを下さい。

片寄: 僕は最初、パイドパイパー・ハウスは本を通じて知ったんですよ。
長門: それは、初代社長の岩永さんが書いた『輸入レコード商売往来』だね。
片寄: あの本を、小学6年とか中学1年のときに、親が買ってきてくれたんです。“レコードが好きだったら、この本を読んでみたら”って。それでパイドパイパー・ハウスというお店の存在を知ったんです。たしか初めて行ったのは中学2年生ぐらいだったかな。当時だと輸入盤は、タワーレコードか、すみやで買うっていうのがお決まりのコースだったんですけど、やっぱり、そういうお店って、メジャーどころしか置いていないんですよね。その頃、僕はエルヴィス・コステロとかニック・ロウが好きだったんですけど、ニック・ロウが昔、ブリンズレー・シュワルツというバンドに在籍していて、「クルーエル・トゥ・ビー・カインド」は、そのバンド時代の曲らしいという記事を何かの雑誌で読んだんです。それでブリンズレー・シュワルツのレコードが欲しいなと思ったんだけど、どこにも売っていなくて。そんな時、初めてパイドに行ったら、『ナーバス・オン・ザ・ロード』の再発盤が売られていたんですよ。それを買ったのがめちゃめちゃ嬉しくて。それ以来、頻繁に通わせていただくようになったんです。お店の中の、レコード棚の位置も、いまだに覚えていますよ。
長門: そうだったんだ。いろんなお客さんが来てくれたけど、さすがに片寄君みたいな中学生は珍しかったな(笑)。
片寄: その頃、僕は熱心なラジオ少年でもあったので、佐野元春さんがDJを担当されていた『サウンドストリート』に、しょっちゅう、リクエストを出していたんです。パイドで新譜を買うたびに、リクエストしていたら、“新譜の情報がめちゃめちゃ早い男のコがいる”って、佐野さんが僕のことを覚えてくれて(笑)。たぶん、4、5回、番組でハガキを読んでもらったんじゃないですかね。
長門: 僕も当時、佐野さんのファンクラブ用の会報に連載を持っていて。そういえば、『サウンドストリート』にも、たびたび音源の提供をしたことがあったね。
片寄: そうだったんですか。
長門: 佐野さんは、これからラジオの録音だっていうときに、“この曲をかけたい!”とか突然、言い出すの(笑)。そうするとスタッフがうちの店に、その曲が入っているレコードを急いで買いに飛んでくる(笑)。お店に無い場合は、僕の自宅まで借りにきたこともあるよ。
片寄: すごいですね(笑)。
長門: でも、佐野さんって律儀な人だから、いつも直筆でお礼状を書いてくれるんだよ。スタッフは毎回、大変だったと思うけど(笑)。

長門: GREAT 3のデビュー・アルバム『Richmond High』は‘95年のリリースになるのかな。
片寄: そうです。
長門: あのアルバムでは、ジョー・ガストワートがマスタリングを手掛けているんだけど、(アルバムの制作スタッフに)彼を紹介したのって、実は僕なんですよ。『Richmond High』が出る前年に、僕はジェリー・ベックリー(アメリカ)のソロ・アルバムをL.A.でプロデュースしたんだけど、そのときにマスタリングを頼んだのが、ジョー・ガストワートでね。たぶん、それを、誰かが聞きつけたんじゃないかな。
片寄: なるほど。そういう流れで彼に仕事をお願いできたんですね。
長門: ジョーにやってもらいたいというのは、片寄君のアイデアだったの?
片寄: そうです。メンバー全員、グレイトフル・デッドが好きだということもあって。
長門: 彼はデッドやニール・ヤングなど、そうそうたるミュージシャンのマスタリングを手掛けているからね。
片寄: 実際にお願いしてみたら、すごく仕上がりも良くて。そういえばL.A.では、ロック・ミュージシャンがいっぱい泊まるホテルに泊めてもらえたんですよ。上の部屋から歌声が聞こえてきて、うるさいなと思ったら、どうやらロッド・スチュアートが泊まっていて、ゴスペル・シンガーを部屋に集めてリハをしていたみたいで(笑)。かと思えば、今をときめくトム・ヨークがロビーでうろうろしていたり。当時はレディオ・ヘッドも出てきたばかりで、僕もちょっと好きだったから、声をかけて、彼といろいろ話したり。すごく楽しかった思い出がありますね。
長門: ちょうどGREAT 3が仕事を頼んだあとぐらいから、日本のアーティストも、ジョー・ガストワートにマスタリングを頼むようになったんだよね。
片寄: 僕らが行った時は、ちょうど前の日まで、ニール・ヤングのマスタリングをやっていたらしくて。ニール・ヤングって、あの音楽性からは想像も付かないんですけど、細かい部分にも、すごくこだわるみたいで(笑)。とにかくやり直しに次ぐやり直しで、ジョーがへとへとになっていたのを覚えています(笑)。
長門: そういえば、GREAT3は3rdアルバムの『ROMANCE』で、ミレニアムの「THERE IS NOTHING MORE TO SAY」を採りあげていたよね。あのカヴァーもすごく良かった。やるなあって。
片寄: ありがとうございます。そういえば、タワレコでインストア・イベントをやったとき、楽屋にいたら、知らない外人に、“サンキュー!”とか、すごい勢いで話しかけられて。最初、全然、意味がわからなかったんですけど、よくよく聞いてみたら、ミレニウムのメンバーだったジョーイ・スティックだったんですよ。あれはビックリしましたね。

長門: ‘00年には、ジョン・マッケンタイアをプロデューサーに招いて、ソロ・アルバム『HEY MISTER GIRL』を発表しているけど、彼とはどういう経緯で一緒に作品を作ることになったの?
片寄: GREAT 3で〈BODICIOUS〉というレーベルを立ち上げた途端、ベース担当の高桑圭君が入院してしまったんです。それで、やることがなくなってしまったから、“じゃあ、ソロ・アルバムでも作るか”という話になって。それで当時、僕はトータスをはじめとするシカゴ音響派といわれているミュージシャンの作品をよく聴いていたんで、ジョン・マッケンタイアにメールでプロデュースのオファーを出したんです。だけど、しばらく待っても全然返事が返ってこないし、半ば諦めていたんですね。そしたら、突然、“1週間後にスケジュールが空いたから、シカゴまで来ないか?”っていうメールが届いて。すぐにレコード会社に相談したら、あまりにも急だったんで、“予算は何とかするから、一人で行ってくれば?”と言われて。それでシカゴに一人で向かったんです。
長門: 最初から最後まで、シカゴのミュージシャンに混じって、一人で?
片寄: そうですね、基本的には。途中、シングル(「Veranda feat.Chocolat」)のプロデュースをお願いしていた流れで、佐橋佳幸さんが2日間だけ合流してくれたんですけど。
長門: 佐橋君とトータスってあんまりぴんとこないなあ(笑)。
片寄: トータスの連中は、佐橋さんの耳の良さにビビってましたよ(笑)。些細な演奏のミスも聴き逃さないから、だんだん “あいつは一体、何者なんだ!?”みたいな雰囲気になって。ギターも向こうのミュージシャンより佐橋さんの方が上手いから、最後は、みんな “お前が弾いたほうがいいんじゃないか”とか言いだしたりして(笑)。
長門: そうかぁ(笑)。ジョン・サイモンも佐橋君ならアメリカでスタジオ・ミュージシャンとして食っていけるって言ってたものね。
片寄: その後、佐橋さんが帰ってからは、ジョンと二人きりで彼の家に泊まって、ずっと作業してたんですけど、ある日、彼のレコード棚を見せてもらったら、並べられているレコードの傾向が自分の家の棚とすごく近くて驚いたんですよ。ハードコア・パンクやニューウェイヴがあるかと思えば、ボズ・スキャッグスとかスピナーズのレコードを指して、“このへんのレコードはあまり他人に見せられないんだけど”とか言っていたり(笑)。それって、すごく自分に近い感覚だったんです。ジャンルで音楽を聴かない感じというのかな。同じような感覚で音楽を聴いてるんだということがわかって、すごくおもしろかったですね。

片寄: でも、今思えば、パイドで知った音楽の知識というのが後になってすごく役に立っているんですね。たとえば2000年にシカゴ音響派の連中と一緒に仕事をするようになった頃、彼らはミレニアムやフィフス・アヴェニュー・バンドの存在を全然知らなかったんです。それで、日本から持っていったCDを聴かせたら、ジョン・マッケンタイアとか一気に目の色が変っちゃって(笑)。あちこちに電話かけて、いろんなミュージシャンを集めて、みんなでCDを聴いたり、ライナーを読んだりして。そういうところで音楽的な交流を深めることもできましたし。最近だと、カリフォルニアのルビーズという若い女のコ二人組のバンドと仲良くなったんですけど、彼女たちの一番好きなアーティストが、ネッド・ドヒニーなんですよ。
長門: へぇ〜。
片寄: そのあたりの、ブルー・アイド・ソウルものとか、日本で言うAOR的なものが、今のアメリカでは日本と全然違う文脈で聴かれているんですよ。たぶん、みんな、すごく新しいものとして聴いているんじゃないかな。ルビーズのコたちとも、ミックスCDを作って交換したり。
長門: 彼女たちとは、どうやって出会ったの?
片寄: Myspaceですね。Chocolat&AkitoのMyspaceに“好きなアーティスト:ネッド・ドヒニー”って入れていたら、彼女たちがそれを見つけて、そこから交流が始まって。ショコラなんて、すっかり意気投合して、今じゃ、すっかり親友になっちゃって(笑)。
ショコラ: そうなんですよ。アメリカに行った時には、彼女たちの家に遊びに行ったりとかして。
片寄: そういえば長門さんが再発された、アルゾの幻の2ndアルバムの1曲目に入ってる曲をミックスCDに入れたら、“聴いた瞬間に泣いちゃった”ってメールがきたこともありましたよ。
ショコラ: 彼女たち、すごく感動してたよね。
片寄: 僕が作ったミックスCDですら、みんな超ショックを受けているぐらいだから、長門さんが作ったミックスCDを、向こうの連中に聴かせたら、きっと大変なことになりますよ。
ショコラ: うん!絶対に大受けすると思います。
長門: いやいや(笑)。
片寄: そうやってカリフォルニアのシーンを中心に、今、そのあたりの音楽を新しい感覚で聴いているミュージシャンが増えているんですね。一時期、アメリカの音楽って、ヒップホップの流れもあって、ビート主体で、メロディがおろそかになっているようなところがあったんですけど、ここにきて、再びメロディに回帰している一連のミュージシャンたちがいて。
長門: 今は、そういう人たちとYoutubeやMyspaceを通じて繋がることができるわけだから、すごくおもしろい時代ではあるよね。
片寄: そうなんです。ミニコミとかサークル内でやっていたようなことが、今は世界規模で展開されているんですよ。

長門: 今、お二人は現在、Chocolat&Akitoを中心に音楽活動を展開しているわけだけど、そもそも、どういうきっかけで一緒にやるようになったの?
ショコラ: GREAT 3が活動休止に入った頃に、ごくごく自然な流れで、“一緒にやろうか”みたいな話になったんですよ。結婚した頃から、“いつかできたらいいね” みたいな話はしていたんですけど。
片寄: 始めた頃は割と気楽な感じだったんです。仲間に曲を書いてもらって、自分たちは歌うだけでいいや、みたいな(笑)。でも、いざ活動をはじめたらやっぱり曲を書きたくなって(笑)。特に2 nd アルバムの『Tropical』から、ショコラも作曲をどんどんするようになったので、曲作りが楽しくなっちゃって。結局、あのアルバムでは彼女が半分ぐらい曲を書いているんですよ。
長門: 僕は「チューニング」という曲が好きなんだけど、あの曲、片寄君が書いているのだとばかり思っていたら、実はショコラさんが作曲をしているんだね。
ショコラ: そうなんです。でも、明人っぽい曲を書くっていうのは、周りの人からも、よく言われます。実際、私にとって明人が音楽の先生みたいな存在なので、自分が書く曲にも先生の影響が色濃く現れるんでしょうね(笑)。
長門: 活動を始めるにあたって、お手本にしたグループは?
片寄: イメージしていたのは、サイモン&ガーファンクルの男女版みたいな感じですね。あとはキングス・オブ・コンビニエンスとか。それこそパイドの時代だと、ファンタスティック・サムシングとか、ああいう清涼感のあるハーモニーを基調にした音楽をやりたいなと思っていました。
除川: 個人的には、カエターノ・ヴェローゾとガル・コスタが一緒にやっている『ドミンゴ』と共通するような雰囲気を感じました。ちょっと陰りのある感じとか。
片寄: ああ、たしかに。陰りのある感じというのは、僕の持ち味なのかもしれないですね。GREAT 3って、出てきたときはアメリカン・ロックの影響が強かったし、割と大陸的な、カラっとした空気感を前面に押し出していたんですけど、実際、自分のルーツになっているのは、ゾンビーズだとか、英国音楽特有の、ちょっと湿り気のあるサウンドなんです。昔からメランコリックな音楽がすごく好きなんですね。ブラジル音楽だとマルコス・ヴァーリだとか。同じような感覚で、スウィート・ソウルにも一時期、すごくハマったことがありましたね。

長門: 今後、Chocolat&Akitoで作品をリリースする予定は?
片寄: 今は、The Mattson 2というサンディエゴの2人組と一緒にレコーディングをしています。22歳の双子の大学生なんですけど、彼らのサウンドがすごく面白くて。ドラムとギターで、ストレートなジャズを演奏しているんですよ。
ショコラ: 彼等はお父さんの影響でスタンダード・ジャズを好んで聴いているんですけど、それと同じくらい、ザ・スミスとかスタイル・カウンシルも大好きみたいで。しかもサーファーでもあるんですよ。
片寄: ちょっと前に『スプラウト-sprout-』というサーフィン映画がヒットしたんですけど。その映画を監督しているトーマス・キャンベルが、彼らをプロデュースしているんです。
長門: ということは、ジャック・ジョンソンやトミー・ゲレロとか、あの周辺のアーティストなのかな。
片寄: そうです。彼らはみんな繋がっていて、そのあたりのアーティストが今、僕らの音楽に興味を 示してくれているんですよ。で、彼らの話をいろいろ聞くと、カリフォルニアのサーファーって、チェット・ベイカーだったり、白人のウェストコースト・ジャズを好んで聴いているんですけど、その一方で、最近は、コクトーツインズやザ・スミスをみんな聴いているらしいんです。
長門: へぇ〜。それは興味深い。
片寄: スミスに至っては、なぜかチカーノの連中にも人気があって(笑)。チルアウト感覚で聴いているのか、詳しい理由はわからないんですけど。
長門: ちなみにThe Mattson 2と一緒にレコーディングしている作品は、どんな内容になりそうなの?
片寄: 歌もののアルバムになると思います。彼らからインストのオケが送られてきて、それに僕らがメロディと歌詞をつけるという形で今、作業が進んでいて。
長門: 歌詞は英語?
片寄: いえ、それが日本語なんですよ。彼らいわく、“日本語のほうがクールだ”って言うんです。たぶん、そのあたりのアメリカ人の感覚も、5〜6年前とは、また違ってきてるんでしょうね。一昔前だったら日本語は問答無用でダメっていう感じだったと思うんです。今は一時の日本ブームとは違った形で、みんな日本に対する興味があるらしくて、英語じゃないものに対しても、心が開かれてきてはいるみたいですね。
長門: ニュー・アルバムの仕上がりが今から楽しみだね。じゃあ最後に、お二人が影響を受けたレコードを5枚づつ紹介してもらおうかな。
〜片寄明人さんの5枚〜

 「 マルコス・ヴァーリ / プレヴィザォン・ド・テンポ 」
  −再発にも携わった、すごく思い入れのある作品です−
 数あるマルコス・ヴァーリのアルバムの中で一番好きな作品です。 “タイムレスな魅力”としか言い様がないのですが、映画でいうとスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』とか、当時、未来的なイメージで作られたものが、今もまだ当時の未来感を残したままでいるような雰囲気を、この作品からも感じるんです。マルコスとは1回だけお会いして話したことがあるんですけど、バリバリのサーファーですごく若々しかったですね。また、このアルバムはバックをアジムスが務めていて、演奏も素晴らしいんですよ。アジムスは最近、アンダーグラウンド・ヒップホップの連中から注目を集めていたりするので、そういう観点から聴いても楽しめると思います。

 「 ザ・フー / ザ・フー・セルアウト 」
  −個人的にはザ・フーの中で一番好きなアルバムです−
 あまり代表作として選ばれることのないアルバムだと思うんですけど大好きな作品です。ラジオ風のジングルがコラージュっぽく随所に挟み込まれていたり、そういうところもポップアートっぽくていいなと思います。僕はモッズを通過しているということもあって、やっぱりザ・フーというバンドは特別な存在なんです。こないだの来日コンサートも感激しましたね。ピート・タウンゼントがステージに出てきてギターのコードをガーンって弾いた瞬間に、改めて別モノだなと思ったんですよ。ジミヘンとか映像でしか知らない本物のロック・レジェンドの存在感がザ・フーにもありましたね。

 「 ベン・ワット / ノース・マリン・ドライヴ 」
  −陰りのある音楽の魅力に目覚めさせてくれた一枚です−
 このアルバムは、まさにパイドパイパー・ハウスで買わせていただきました(笑)。エヴリシング・バット・ザ・ガールも、もちろんいいグループだし、幾つか好きなアルバムがあるんですけど、このアルバムだけ、ちょっと特別な感じがするんです。たとえばニック・ドレイクだったり、ロバート・ワイアットの音楽にも共通する陰りのある感覚というか。それを自分がリアルタイムで初めて感じられたのが、このアルバムだったんです。ベン・ワットは、これ以降、ソロ・アルバムを出していないから、すごくもったいないなと思っていて。発表当時はポストパンク的な、ちょっと過激なアティトュードも感じられて、そういうものが中学生だった自分にもしっくりくるようなところがあったんです。これは忘れられないアルバムです。

 「 CHET BAKER
     / CHET BAKER SINGS AND PLAYS FROM THE FILM “LET’S GET LOST” 」
  −ここまでロマンティックだと逆にハードコアな感じがします(笑)−
 カリフォルニアのサーファーの連中にチェット・ベイカーを聴かされているうちにハマっちゃって、去年1年かけて200枚ぐらい出ている彼の作品を全部揃えたんです(笑)。とにかく私生活がめちゃくちゃな人で、借金取り立てのヤクザに殴られて歯が無くなったりしてるんです(笑)。でも、それこそ歯がなくなった1973年以降のチェット・ベイカーの歌が、僕は大好きで。唇の調子が悪い時とか、入れ歯の調子が悪いときとか、たぶん彼はトランペットではなく、スキャットや歌で場を繋いだりしていたと思うんですけど、その感じも、すごく良くて。彼の歌には、それこそロバート・ワイアットに繋がっていくような独特の哀愁と、なんともいえないロマンティックさを感じるんです。このアルバムは歌ものが多いし、ブルース・ウィーヴァー監督作品のサントラだからスタイリッシュな切り口というか、普段あんまり彼が歌わないような曲も作中でたくさん歌われています。

 「 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド / ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ 」
  −彼らのサウンドには、なんともいえないクールな感じがありますよね−
 自分の中にあるロックの基準を決めてくれたのが、僕にとってはザ・フーとヴェルヴェット・アンダーグラウンドだったんです。どのアルバムもいいんですけど、中でも、このアルバムは大好きで、何枚も持っています(笑)。そういえば、昔、ハワイに行ったときホノルルのはずれにある、パープルヘイズっていう中古レコード屋さんで、発禁になった1stプレスを見つけたことがあって。しかも盤をみたらモノラル録音だったんですよ。日本では5万円出しても買えないアルバムなんですけど、店員の若い男の子にドキドキしながら値段を聞いたら、カタログをいろいろ調べて、“えーと……これは珍しいから30ドル”って(笑)。もちろん大至急、買いました(笑)。


〜ショコラさんの5枚〜

 「 DAVID AXELROD / HEAVY AXE 」
  −高校生の頃、彼の曲をウォークマンで聴いて通学してました(笑)−
 このアルバムに入っている「mucho chupar」って曲が高校生の頃からすごく好きで。すごく怪しげな曲なんですけど格好いいんですよ。とはいえ、この人については全然詳しく知らないんですけど(笑)。(ショコラ)
 ショコラはすごくドラムの音にめちゃめちゃこだわりがあるんですよ。80年代っぽいゲートリヴァーヴが効いているような音はあんまり好きじゃなくて、サンプリングされてもおかしくないようなデヴィッドの出していたようなドラムの音が彼女の中でリファレンスになっていると思うんです。それは、やっぱり女子高生で、こんなの聴いていたせいなんじゃないかと(笑)。(片寄)
 そうかも(笑)。何年か前に復活したときのDVDを観たんですけど、それもすごく良くて。ロンドンでフルオーケストラを集めて彼が指揮をしてるんですけど、超怖そうで、なんかギャングみたいな感じで(笑)。あれは面白かったですね。(ショコラ)

 「 DICK TWARDZIK TRIO / COPLETE RECORDINGS 」
  −ジャズの枠を超えてしまっているようなアルバム−
 明人がチェット・ベイカーを聴いていて、その流れで彼の存在を知ったんです。(ショコラ)
 チェット・ベイカーが50年代に行なったパリ・ツアーに同行したピアニストなんですけど、ひどいジャンキーだったみたいで、向こうでツアー中に死んじゃったんですよ。24歳ぐらいで。(片寄)
 このアルバムは彼の演奏をまとめたものなんです。一緒に歌えちゃうようなキャッチーなフレーズがいきなり出てきたりして、すごく独特なんです。サウンドはもちろん、彼のスタイルが好きなんですね。(ショコラ)。

 「 トッド・ラングレン / サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー) 」
  −トッドには夫婦揃って影響を受けています(笑)−
 ショコラが鍵盤で曲を書き始めたとき、キャロル・キング、ローラ・ニーロ、トッド・ラングレン的な響きを最初から奏でていて、びっくりした記憶があります。やっぱり好きなんでしょうね、あの感じが。(片寄)
 ほとんどの楽器を自分で演奏していたりして、すごく完全主義者っぽいイメージがあるんですけど、よく聴くとたまに鍵盤を間違ってたりとかして(笑)。そういう部分も含めて好きなんです。(ショコラ)

 「 高橋アキ / ザ・ベスト・オブ・サティ 」
  −サティは自分にとってヒーローみたいな存在です−
 ピアニストの高橋アキさんがサティの曲を演奏しているアルバムです。サティの本を読んで知ったんですけど、作曲用のサティの楽譜には小節が無いみたいで。そういう自由な感じがすごく好きなんです。(ショコラ)

 「 ゴンザレス / ソロ・ピアノ 」
  −すごく綺麗な良い曲ばかりが入ったアルバムです−
 これはピアノのソロ・アルバムです。彼もやっぱりエリック・サティとかラヴェルとかが好きらしいですね。そういう部分でも、すごく共感できて。(ショコラ)
 最近出した新譜(『ソフト・パワー〜権三が行く』)では、彼が歌も歌っています。それこそ70年代のAORみたいな曲が入っていたり、たぶん長門さんが聴いたらニヤっとされるんじゃないかな。(片寄)


〜片寄明人さんの5枚〜
マルコス・ヴァーリ
/プレヴィザォン・ド・テンポ
オデオン TOCP-65816
ザ・フー
/ザ・フー・セルアウト
ポリドール UICY-6516

ベン・ワット
/ノース・マリン・ドライヴ
インペリアル TECI-26513<SHM-CD>
CHET BAKER
/CHET BAKER SINGS AND PLAYS FROM THE FILM “LET’S GET LOST”
<輸入盤>
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
/ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ
ポリドール UICY-93894
<デラックス・エディション SHM-CD 2CD>

〜ショコラさんの5枚〜
DAVID AXELROD
/HEAVY AXE
<輸入盤>
DICK TWARDZIK TRIO
/COPLETE RECORDINGS
<輸入盤>

トッド・ラングレン
/サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー)
べアズヴィル VICP-64203
<紙ジャケット仕様>
高橋アキ
/ザ・ベスト・オブ・サティ
EMIミュージック・ジャパン TOCE-3347
ゴンザレス
/ソロ・ピアノ
P-ヴァイン PCD-22315

  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談議が続いています。

ショコラさんのオーダー 片寄明人さんのオーダー
ノースサイド
ジン:30t
Get27:15t
グレープフルーツJ:60t
レモンJ:15t
パウダーシュガー:1tsp
をシェーク
パラダイス
ジン:30t
アプリコット・ブランデー:30t
オレンジJ:30t
をシェーク

                news!!
レコミンツ(PART-1&2)にて、下記のCHOCOLAT&AKITO関連のCD/DVDを
お買いあげの方に、オリジナル特典(直筆サイン入りポスト・カード)をプレゼントいたします!
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     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。

mints Barは、コチラのお店をお借りして、撮影しています。


ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階
Tel : 03-3387-7906



第三十夜  おわり
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