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| 長門: |
今後、Chocolat&Akitoで作品をリリースする予定は? |
| 片寄: |
今は、The Mattson 2というサンディエゴの2人組と一緒にレコーディングをしています。22歳の双子の大学生なんですけど、彼らのサウンドがすごく面白くて。ドラムとギターで、ストレートなジャズを演奏しているんですよ。 |
| ショコラ: |
彼等はお父さんの影響でスタンダード・ジャズを好んで聴いているんですけど、それと同じくらい、ザ・スミスとかスタイル・カウンシルも大好きみたいで。しかもサーファーでもあるんですよ。 |
| 片寄: |
ちょっと前に『スプラウト-sprout-』というサーフィン映画がヒットしたんですけど。その映画を監督しているトーマス・キャンベルが、彼らをプロデュースしているんです。 |
| 長門: |
ということは、ジャック・ジョンソンやトミー・ゲレロとか、あの周辺のアーティストなのかな。 |
| 片寄: |
そうです。彼らはみんな繋がっていて、そのあたりのアーティストが今、僕らの音楽に興味を 示してくれているんですよ。で、彼らの話をいろいろ聞くと、カリフォルニアのサーファーって、チェット・ベイカーだったり、白人のウェストコースト・ジャズを好んで聴いているんですけど、その一方で、最近は、コクトーツインズやザ・スミスをみんな聴いているらしいんです。 |
| 長門: |
へぇ〜。それは興味深い。 |
| 片寄: |
スミスに至っては、なぜかチカーノの連中にも人気があって(笑)。チルアウト感覚で聴いているのか、詳しい理由はわからないんですけど。 |
| 長門: |
ちなみにThe Mattson 2と一緒にレコーディングしている作品は、どんな内容になりそうなの? |
| 片寄: |
歌もののアルバムになると思います。彼らからインストのオケが送られてきて、それに僕らがメロディと歌詞をつけるという形で今、作業が進んでいて。 |
| 長門: |
歌詞は英語? |
| 片寄: |
いえ、それが日本語なんですよ。彼らいわく、“日本語のほうがクールだ”って言うんです。たぶん、そのあたりのアメリカ人の感覚も、5〜6年前とは、また違ってきてるんでしょうね。一昔前だったら日本語は問答無用でダメっていう感じだったと思うんです。今は一時の日本ブームとは違った形で、みんな日本に対する興味があるらしくて、英語じゃないものに対しても、心が開かれてきてはいるみたいですね。 |
| 長門: |
ニュー・アルバムの仕上がりが今から楽しみだね。じゃあ最後に、お二人が影響を受けたレコードを5枚づつ紹介してもらおうかな。 |
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〜片寄明人さんの5枚〜
「 マルコス・ヴァーリ / プレヴィザォン・ド・テンポ 」
−再発にも携わった、すごく思い入れのある作品です−
数あるマルコス・ヴァーリのアルバムの中で一番好きな作品です。 “タイムレスな魅力”としか言い様がないのですが、映画でいうとスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』とか、当時、未来的なイメージで作られたものが、今もまだ当時の未来感を残したままでいるような雰囲気を、この作品からも感じるんです。マルコスとは1回だけお会いして話したことがあるんですけど、バリバリのサーファーですごく若々しかったですね。また、このアルバムはバックをアジムスが務めていて、演奏も素晴らしいんですよ。アジムスは最近、アンダーグラウンド・ヒップホップの連中から注目を集めていたりするので、そういう観点から聴いても楽しめると思います。
「 ザ・フー / ザ・フー・セルアウト 」
−個人的にはザ・フーの中で一番好きなアルバムです−
あまり代表作として選ばれることのないアルバムだと思うんですけど大好きな作品です。ラジオ風のジングルがコラージュっぽく随所に挟み込まれていたり、そういうところもポップアートっぽくていいなと思います。僕はモッズを通過しているということもあって、やっぱりザ・フーというバンドは特別な存在なんです。こないだの来日コンサートも感激しましたね。ピート・タウンゼントがステージに出てきてギターのコードをガーンって弾いた瞬間に、改めて別モノだなと思ったんですよ。ジミヘンとか映像でしか知らない本物のロック・レジェンドの存在感がザ・フーにもありましたね。
「 ベン・ワット / ノース・マリン・ドライヴ 」
−陰りのある音楽の魅力に目覚めさせてくれた一枚です−
このアルバムは、まさにパイドパイパー・ハウスで買わせていただきました(笑)。エヴリシング・バット・ザ・ガールも、もちろんいいグループだし、幾つか好きなアルバムがあるんですけど、このアルバムだけ、ちょっと特別な感じがするんです。たとえばニック・ドレイクだったり、ロバート・ワイアットの音楽にも共通する陰りのある感覚というか。それを自分がリアルタイムで初めて感じられたのが、このアルバムだったんです。ベン・ワットは、これ以降、ソロ・アルバムを出していないから、すごくもったいないなと思っていて。発表当時はポストパンク的な、ちょっと過激なアティトュードも感じられて、そういうものが中学生だった自分にもしっくりくるようなところがあったんです。これは忘れられないアルバムです。
「 CHET BAKER
/ CHET BAKER SINGS AND PLAYS FROM THE FILM “LET’S GET
LOST” 」
−ここまでロマンティックだと逆にハードコアな感じがします(笑)−
カリフォルニアのサーファーの連中にチェット・ベイカーを聴かされているうちにハマっちゃって、去年1年かけて200枚ぐらい出ている彼の作品を全部揃えたんです(笑)。とにかく私生活がめちゃくちゃな人で、借金取り立てのヤクザに殴られて歯が無くなったりしてるんです(笑)。でも、それこそ歯がなくなった1973年以降のチェット・ベイカーの歌が、僕は大好きで。唇の調子が悪い時とか、入れ歯の調子が悪いときとか、たぶん彼はトランペットではなく、スキャットや歌で場を繋いだりしていたと思うんですけど、その感じも、すごく良くて。彼の歌には、それこそロバート・ワイアットに繋がっていくような独特の哀愁と、なんともいえないロマンティックさを感じるんです。このアルバムは歌ものが多いし、ブルース・ウィーヴァー監督作品のサントラだからスタイリッシュな切り口というか、普段あんまり彼が歌わないような曲も作中でたくさん歌われています。
「 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド / ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ 」
−彼らのサウンドには、なんともいえないクールな感じがありますよね−
自分の中にあるロックの基準を決めてくれたのが、僕にとってはザ・フーとヴェルヴェット・アンダーグラウンドだったんです。どのアルバムもいいんですけど、中でも、このアルバムは大好きで、何枚も持っています(笑)。そういえば、昔、ハワイに行ったときホノルルのはずれにある、パープルヘイズっていう中古レコード屋さんで、発禁になった1stプレスを見つけたことがあって。しかも盤をみたらモノラル録音だったんですよ。日本では5万円出しても買えないアルバムなんですけど、店員の若い男の子にドキドキしながら値段を聞いたら、カタログをいろいろ調べて、“えーと……これは珍しいから30ドル”って(笑)。もちろん大至急、買いました(笑)。
〜ショコラさんの5枚〜
「 DAVID AXELROD / HEAVY AXE 」
−高校生の頃、彼の曲をウォークマンで聴いて通学してました(笑)−
このアルバムに入っている「mucho chupar」って曲が高校生の頃からすごく好きで。すごく怪しげな曲なんですけど格好いいんですよ。とはいえ、この人については全然詳しく知らないんですけど(笑)。(ショコラ)
ショコラはすごくドラムの音にめちゃめちゃこだわりがあるんですよ。80年代っぽいゲートリヴァーヴが効いているような音はあんまり好きじゃなくて、サンプリングされてもおかしくないようなデヴィッドの出していたようなドラムの音が彼女の中でリファレンスになっていると思うんです。それは、やっぱり女子高生で、こんなの聴いていたせいなんじゃないかと(笑)。(片寄)
そうかも(笑)。何年か前に復活したときのDVDを観たんですけど、それもすごく良くて。ロンドンでフルオーケストラを集めて彼が指揮をしてるんですけど、超怖そうで、なんかギャングみたいな感じで(笑)。あれは面白かったですね。(ショコラ)
「 DICK TWARDZIK TRIO / COPLETE RECORDINGS 」
−ジャズの枠を超えてしまっているようなアルバム−
明人がチェット・ベイカーを聴いていて、その流れで彼の存在を知ったんです。(ショコラ)
チェット・ベイカーが50年代に行なったパリ・ツアーに同行したピアニストなんですけど、ひどいジャンキーだったみたいで、向こうでツアー中に死んじゃったんですよ。24歳ぐらいで。(片寄)
このアルバムは彼の演奏をまとめたものなんです。一緒に歌えちゃうようなキャッチーなフレーズがいきなり出てきたりして、すごく独特なんです。サウンドはもちろん、彼のスタイルが好きなんですね。(ショコラ)。
「 トッド・ラングレン / サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー) 」
−トッドには夫婦揃って影響を受けています(笑)−
ショコラが鍵盤で曲を書き始めたとき、キャロル・キング、ローラ・ニーロ、トッド・ラングレン的な響きを最初から奏でていて、びっくりした記憶があります。やっぱり好きなんでしょうね、あの感じが。(片寄)
ほとんどの楽器を自分で演奏していたりして、すごく完全主義者っぽいイメージがあるんですけど、よく聴くとたまに鍵盤を間違ってたりとかして(笑)。そういう部分も含めて好きなんです。(ショコラ)
「 高橋アキ / ザ・ベスト・オブ・サティ 」
−サティは自分にとってヒーローみたいな存在です−
ピアニストの高橋アキさんがサティの曲を演奏しているアルバムです。サティの本を読んで知ったんですけど、作曲用のサティの楽譜には小節が無いみたいで。そういう自由な感じがすごく好きなんです。(ショコラ)
「 ゴンザレス / ソロ・ピアノ 」
−すごく綺麗な良い曲ばかりが入ったアルバムです−
これはピアノのソロ・アルバムです。彼もやっぱりエリック・サティとかラヴェルとかが好きらしいですね。そういう部分でも、すごく共感できて。(ショコラ)
最近出した新譜(『ソフト・パワー〜権三が行く』)では、彼が歌も歌っています。それこそ70年代のAORみたいな曲が入っていたり、たぶん長門さんが聴いたらニヤっとされるんじゃないかな。(片寄)
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