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| 長門: |
10月25日に久々のソロ・アルバム『凹凸-おうとつ-』がリリースされるわけだけど、厳密にいえば1曲目と11曲目以外は新曲ではないんだよね。 |
| 鈴木: |
『metrotr-on-line』っていう、通販で売っていたシリーズCDに収録されていた曲だね。 |
| 長門: |
テイクは全部同じ? |
| 鈴木: |
いや。テイクは全部違う。いろいろ音を重ねちゃったり。 |
| 長門: |
音も凄いもんね。CDプレイヤーが壊れたかと思った(笑)。 |
| 鈴木: |
雑音みたいなノイズも入ってるしね(笑)。 |
| 長門: |
何度聴いても同じだから、これはそういう意図なんだなと思って。これはエンジニアの原口宏君がやっているのかな? 彼のエンジニアリングは独特だよね。 |
| 鈴木: |
そう、原口君は空間を埋めるのに、リヴァーヴじゃなくて、“点”で埋めるっていう(笑)。湾岸スタジオを作ったのは彼なんですよ。僕らがずっとやってもらっていたミキサーの方の弟子っていうか。大学出て、宮崎から上京して、すぐに僕らの現場に携わったんじゃないかな。 |
| 長門: |
最初からこんな変わった音作りをしていたの? |
| 鈴木: |
いや、ずっとハンダゴテをもって作業してたよね。“飯は食わないの?”って聞いても、ずっとシューってやっているし(笑)。でも、俺たちの影響でXTCとかを聴いて、徐々に変な音が好きなエンジニアになってっちゃったね(笑)。今はシカゴ音響派とか、完全にそっちのほうにいっちゃってて。 |
| 長門: |
彼の音作りも今作の大きなポイントになっているよね。どうしてもミュージシャンって年とともに渋く、枯れた感じになっていってしまうけど、そこに彼のサウンドが混ざってくると、過激な枯れというか……。 |
| 鈴木: |
過激な枯れ(笑)。それは目指すところかもしれないな(笑)。 |
| 長門: |
音的にはザ・バンドみたいな70年代っぽい曲もあるけど、それだけじゃないもんね。 |
| 鈴木: |
今までは“何もいじくらないで、このままにしてほしい”とか言っちゃう感じがあったんだけど、今回のは“全部、変な感じにしてくれ”って要望をこちらから出したんだよね。 |
| 長門: |
ちなみに2曲目の「riparian life」に入っているのはバンジョーの音? |
| 鈴木: |
ははは(笑)、さて、なんでしょう(笑)? あのあたりは全部、原口に任せちゃったから。莫大にあるサンプル・ソースから、キーが合っているものを使っているんじゃないかな。 |
| 長門: |
ドブロっぽい音は? |
| 鈴木: |
あれも生ギターの音を加工している。だから実際に使っている楽器はエレキ・ギターと生ギターとベースだけだよね。ドラムは全部、打ち込みだし。あとは原口に、いろいろやってもらって。今回は、マスタリングも原口がやっている。ハリウッドで使っているマスタリングのソフトがあって。“これがハリウッドの音ですよ”とか言ってるんだけど、俺にはなんだかよくわかんない(笑)。 |
| 長門: |
マッドなバーバンク・サウンドというか(笑)。 |
| 鈴木: |
はははは(笑)。 |
| 長門: |
2曲の新録曲は、いつぐらいに録ったの? |
| 鈴木: |
これはごく最近。この夏の終わりぐらいに録ったのかな。 |
| 長門: |
『凹凸-おうとつ-』っていうタイトルは、どこから来たの? |
| 鈴木: |
俺はタイトルを決めるのがすごく苦手で毎回、悩んじゃうんだけど、今回は悩まなかったね(笑)。この字ヅラっていうの? 象形文字みたいな。これがバーンと出てきて。最初は『凸凹(でこぼこ)』だったんだけど、検索したら過去に同じタイトルの作品があったから、じゃあ『凹凸(おうとつ)』にしようと思って。 |
| 長門: |
ところで5分で出来た曲ってどれなの? |
| 鈴木: |
「そばにいるかい」というピアノだけの曲だね。 |
| 長門: |
この曲はピアノを弾き始めて、すぐに出来あがった感じ? |
| 鈴木: |
うん。たまにそういうことがある。 |
| 長門: |
曲はピアノで作ることが多いのかな。 |
| 鈴木: |
最近はギターで作るほうが多いけど、飽きるとピアノで作ったり。 |
| 長門: |
今作に収録された楽曲は、すべて自宅を改造した湾岸スタジオでレコーディングされているわけだけど、宅録的な作業は、いつぐらいから始めたの? |
| 鈴木: |
ムーンライダーズのアルバムでいえば、『青空百景』とか『アマチュア・アカデミー』とか、あのぐらいの時期かな。リズムマシーンとか、そういう機材を使い始めてデモテープを作るようになったのが、はじまりだよね。 |
| 長門: |
一言では難しいと思うけど、今回のアルバムに関して、キーワードみたいなものって何かあるのかな。 |
| 鈴木: |
キーワードっていうわけじゃないけど、50歳を過ぎて、やっと一本筋が通った音楽を作れるようになったかな、とは思うね。 |
| 長門: |
それは随分前から出来上がっていたような気がするけど。 |
| 鈴木: |
いやいや、普通っぽくしちゃったり、実験的にしちゃったり、自分としては、常にうろうろしてきたような気がするんだけどね。 |
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