mintsBar 今夜のお客様は 今夜のお客さまは 高野 寛さん です  

中古CD・中古DVDならレコミンツ! 中古CD買取強化中
東京中野ブロードウェイ3F
中古CD・中古DVD販売店
買い取りも強化中!
ロック,シネマ,アニメーションは、
中野・レコミンツ
中古DVD買取強化中
株式会社フジヤエービック 古物商許可番号 東京都公安委員会 第304399601273号

”今夜のお客さまは 高野 寛さん です“
高野 寛 【たかの ひろし プロフィール】
‘64年生まれ。‘86年に高橋幸宏、鈴木慶一が主催するオーディションに出場、見事合格。‘88年に高橋幸宏プロデュースのシングル「See You Again」でデビュー。作詞、作曲、歌唱、演奏、編曲などを一手にこなす若きマルチ・プレイヤーとして注目を集める。ソロ以外にも、BIKKE/斉藤哲也とのNathalie Wise、宮沢和史/マルコス・スザーノらとのGANGA ZUMBA、高橋幸宏/原田知世らとのpupaなど、様々なバンド、ユニットで活躍。ギタリストとしても、坂本龍一のワールド・ツアーや宮沢和史のヨーロッパ・ツアー、南米ツアーに参加している。プロデュース・ワークも多数。’08年、ソロ・デビュー20周年を機にユニバーサルミュージック/MILESTONE CROWDSに移籍、シングル「LOV」を発表。’09年、6月17日、亀田誠治をプロデューサーに迎えたシングル「Black & White」を発表。現在、秋に発売になる久々のソロ・アルバムを制作中。

高野 寛 公式ホームページ  http://www.haas.jp/
除川: いらっしゃいませ、mints Barへようこそ。
高野: こんばんは、長門さん。はじめまして除川さん。想像どおりの良い雰囲気の店ですね。
長門: 高野君、こんばんは。お久しぶりです。忙しいところ、来てくれてありがとう。
除川: 早速ですが、ご注文はいかがいたしましょう?
高野: そうですね。では、ギネス・ビールをお願いします。

長門: 僕が高野君と一番最初に仕事したのは、ちょうど10年前に博多IMSホールで開催された、「LIKE A WOODSTOCK」というイベントだったね。
高野: そうでしたね。ジョン・サイモンや、ハース・マルティネスが出演したイベントですね。
長門: あのイベントは、僕が企画して、鈴木慶一にプロデューサーになってもらって、で、高野君にはどうしても出てほしくってね。ほかにサニーデイ・サービスや青山陽一君、直枝政弘君、ヒックスヴィルにも出てもらった。ウッドストック・フェス30周年ということで、みんなにウッドストック絡みのカヴァーをやってもらったんだ。最後には、ハースやジョン・サイモンと出演者全員で「THE WEIGHT」を演ったり。あの時に高野君はニール・ヤングの「TELL ME WHY」をカヴァーしたんだよね。
高野: そうです。当時よく歌っていたんですよ。
長門: あの時の高野君の「TELL ME WHY」弾き語りがすごく印象に残っていてね。
高野: ありがとうございます。でも、たしかにその時が初対面だったんですけど、いろんな方面から長門さんのことを聞いていたので、僕は、なんだか初対面のような気がしなくて。
長門: 僕も、まあこ(日笠雅子〈現:雅水〉:初代YMOマネージャー)から、“すごく良い曲を書くコがいるよ”って、高野君の噂をデビュー前から聞いていて。一番インパクトがあったのは、トッド・ラングレンがプロデュースを手掛けた高野君の3枚目のアルバム『CUE』。あの頃、僕は仕事でしょっちゅうウッドストックに行ってたんだけど、ウッドストックって狭い町だから、“こないだ日本からヒロシってミュージシャンが来てレコーディングしていたよ”って町中で噂になっていてね。
高野: そうだったんですか(笑)。
長門: トッドは『CUE』と、次のアルバム『Awakening』を2枚続けてプロデュースしているけど、どちらもレコーディングは全曲、ベアズヴィルにあるトッドのスタジオで?
高野: そうです。
長門: 『CUE』の制作期間は、どれぐらいあったんですか?
高野: たしか正味2週間ぐらいでアルバムを作った記憶がありますね。40日滞在したんですけど、最初の1週間は機材が到着しなくて(笑)、その間に曲を作って。
長門: 曲作りは現地入りしてから?(笑)。
高野: そうなんですよ。あの頃はものすごく働いていて、1年に2枚アルバムを作って、2回ツアーをやったりしていたので、曲作りが全然間に合わなくて。特に歌詞は結構、向こうで書きましたね。
長門: トッドからは曲作りに関しても何か指示されたりしました?
高野: 特には無かったんですけど、ある曲を“この曲はイマイチだ”って言われて、“いや、この曲は歌詞が気に入っているから、どうしても入れたいんだ”って、そういうやりとりをした記憶はあります。でもトッドとの作業では、思ったよりもカルチャー・ギャップや、音作りでのギャップを感じることはなかったですね。逆に日本のエンジニアやミュージシャンのほうが、いっぱい説明しなくちゃいけなかったりして。やっぱりバック・グラウンドが似ているから……まあ、似ているっていうか、自分が影響を受けた人物だから似ていて当たり前なんですけど(笑)。やってもらうことが、全部、聞き覚えがあるようなことだったりするので、トッドが何かやると“あ、それそれ!”みたいな感じでしたね。
長門: じゃあ、レコーディングの進め方も事前に想像していたものとすごく近かった?
高野: それが、びっくり体験の連続でしたね(笑)。とにかく作業が早いし、ものすごくラフなんですよ。普通、日本だとミックス・ダウンって数時間かけるものですけど、トッドは短いインストの曲を15分でミックスしちゃったことがあったんですよ(笑)。完全に70年代のレコーディング・スタイルなので、テープに録っている間に、ある程度、音をまとめているんですよね。だから最後にちょっとバランスを取るだけで済むようになっていて。僕がデビューした時、すでに日本ではデジタルのレコーディング機材が主流になっていて、日本のスタジオは、すごくモニターのシステムが進んでいたんです。自分でバランスをいじったりして綺麗な音で聴けるんですけど、トッドのスタジオはアナログのテープを使っていて、チャンネル数も少ないし、ヘッドフォンなんてジャックがあるだけでボリュームも調節できないんですよ(笑)。
長門: そうかぁ(笑)。
高野: 最初、日本のスタジオ感覚で“ベースを上げてほしい”とか、いろいろ注文出していたら、途中からトッドの機嫌が段々悪くなってきて(笑)、“自分の声が聴こえないんだったら、ヘッドフォンを片耳はずせ”って言われたこともあったり(笑)。でも、それはいまだにすごく役立っていて。少々やりにくい環境でも、ちゃんと歌を歌えるようにするっていう。不便だからこその潔さだったり、クリエイティヴィティだったり、それを切り抜けるテクニックだったり、トッドとのレコーディングでは本当にいろんなことを学びましたね。

長門: 今年で高野君はめでたくデビュー20周年を迎えられたということで、おめでとうございます。
高野: ありがとうございます。去年の10月で20周年に突入しました。
長門: そのアニヴァーサリー企画の一環として今回、シングル「Black & White」がリリースされるわけだけれど、この曲、すごく格好いいね。
高野: ありがとうございます。プロデューサーの亀田誠治さんと一緒に、ジェフ・リンとジョージ・ハリスンの感じを目指したんですよ(笑)。
長門: トラベリン・ウィルベリーズみたいな感じで?
高野: そうですね。今、そういう感じのことをやっている人が、全然いないねっていう話になって。
長門: かなりの力作だと思うんだけど、この曲を生み出すまでには、結構、苦労したんじゃないですか?
高野: そうですね。知らないうちに、なんとなく曲を形にするスキルが身に付いてしまったので、曲は出来るんですけど、表現したい強い気持ちや伝えたいという意思が僕の中で欠けはじめていたんですね。若い頃はすごく屈折していたし、自分のことを認めてほしいっていう気持ちもすごく強かったから、それがいい形で曲のパワーになっていたところもあったんですけど、最近になって、良くも悪くも、ただ音楽を楽しむみたいな姿勢がずっと続いていて。僕はいつもリスナーとしての自分を頼りにしているところがあって、自分が聴きたい音楽を作っているんですけど、そういう自分が、リスナーとしてどういうリスナーなのかっていうと、やっぱり、昔からマニアックと言われ続けている部分もあるので(笑)。そう考えると、無意識のうちに“ポップ”っていうところから離れてきちゃっているのかなと思って。正直、『確かな光』というアルバムをリリースした頃(2004年)は、もう、ポップスのフィールドは自分には向いていないんじゃないかと感じていたんですよ。“「虹の都へ」は昔の曲だからもういいじゃないか”と、心のどこかで思っていたんです。でも、今回、久しぶりにメジャーのレーベルから出すことになって。そういう話が来たのはEMIを離れてから初めてだったんですね。ミュージック・ビジネスが混沌としている、今のような状況でメジャーから作品を出すような機会は、今後、そうそう訪れないかもしれないんで(笑)、せっかくだから、僕の昔のヒット曲しか知らないような人でも楽しめる世界を改めて追求してみたいなと思ったんです。

長門: そうかぁ。僕は、ヒットした「虹の都へ」も「ベステンダンク」も、すごくポップな曲だけど、マニアックな音楽ファンも同時に納得させるようなところがあったと思う。今回のシングル「Black & White」も実際、そういう曲になってるんじゃないかな。
高野: ありがとうございます。それはすごく嬉しいです。
長門: 突き抜けた感があって。
高野: そうですね。アルバムでは、もっと突き抜けたいですね。今は、ミュージシャンとしての自分に過渡期が訪れていると思うんです。このシングルを作る過程でも、随分、自分の中で気持ちが変わったし。それから、やっぱり(忌野)清志郎さんのことが大きかったですね。
長門: そうだよね。僕も、あまりにも突然のことだったから本当に驚いてしまって。
高野: 実は最近、RC(サクセション)関連の資料や昔の雑誌を改めて見直している時に発見したんですけど、『シングルマン』の復刻運動って、当時、パイドパイパー・ハウスが率先して進めていたんですね。長門さんにお会いする話をもらった時に、その記事を読んだので、もしかしたら清志郎さんが“そういう話もしなさい”ってことなのかなと思って。
長門: そうなんですよ。『シングルマン』の復刻運動は、音楽評論家の吉見祐子さんが中心になって進めていたんだけど、当時、彼女がパイドの近くにいたんですよ。僕は清志郎さんとは直接の面識がないんだけど、チャボ(仲井戸麗市)は、お店によく来ていて、その後も彼の写真集が出た時も売らせてもらったり。でも、高野君は実際、清志郎さんと一緒に曲を作ったり、アレンジの仕事もしているし、ものすごくショックだったんだろうなと思って……。
高野: はい。ものすごくショックなのと同時に、今でも時々、清志郎さんがいないということを忘れてしまう瞬間があるんです。清志郎さんの映像を観たり音楽を聴いたりしていると、気持ちがそっちに入っちゃって、ふと気が付くと、“あ、清志郎さん、いないんだ”って思うようなことが多くて。亡くなられてから、ずっとそんな感じですね。
長門: 清志郎さんとは一緒に何曲ぐらい作ってるんですか?
高野: 実は8曲ぐらい作っているんです。このあいだ、その時に録音したデモ・テープを再生してみたら、まだちゃんと聴けたので、時間ができたら、ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」みたいな感じで、1曲に仕上げてみたいなと思っていて。
長門: それは是非とも聴いてみたい。
高野: すごく不思議な巡りあわせなんですけど、僕がEMIからデビューした時のディレクターが、僕とRCを両方担当していて、デビュー・アルバムのマスタリングの時にRCの『COVERS』のジャケットの色校正をチェックしていたのをよく覚えています。“これ、うちの会社から出せなくなっちゃったんだよ”とか言って(笑)。“キティから出ることになったんだけど、一応、自分が担当者だから最後までやることになったんだ”って。
長門: 大変だ(笑)。
高野: これも不思議なご縁なんですけど、僕が今、作品をリリースしているユニバーサル・ミュージックって、清志郎さんが生前最後に所属していたレーベルでもあって。「Black&White」と同じ日に清志郎さんの遺作「Oh! RADIO」が出るんですよ。
長門: それもすごい巡り合わせだね。
高野: その音源が、清志郎さんのプライベート・スタジオ(ロックンロール研究所、通称“ロッ研”)のコンピュータに眠っていて、プロトゥールズではなく、デジタルパフォーマーっていうソフトが使用されているんで、エンジニアの人だとあまり使える人がいないので、僕がお手伝いしますよって話になったんです。このシングルの音の発掘を一緒にやってきました。
長門: 彼のスタジオには結構、頻繁に通ったんでしょう?
高野: そうですね。特に『GOD』と『KING』っていう、ロッ研で録った2枚があるんですけど、データのトランスファーみたいな作業を僕がしていて。だからブックレットに“データトースター”っていう謎のクレジットが入っているんですよ(笑)。
長門: ちなみに清志郎さんって機械関係には?
高野: 詳しくはなかったですね(笑)。ものすごく“らしい”というか、Mac Bookがドーンと置いてあって、インターネットに繋がってないんですよ(笑)。ただ録音機として使っているだけなんです。だから、ものすごく動作が安定しているんですよ(笑)。清志郎さんは人から教えてもらった作業を繰り返しやっているだけなんですけど、全部、自分でコントロールできているから、コンピュータの奴隷にならないで、逆にコンピュータを使いこなしている感じがしたんですよね(笑)。

長門: じゃあ、このあたりで近況について、話を聞こうかと思うんだけど。
高野: 最近は主にソロ・アルバムのレコーディングですね。なんとか20周年が終わらないうちに出せればいいなと思っているんですが(笑)。
長門: 内容的にはどんなものになりそうですか?
高野: 20周年のアルバムなので最初は、いろんなゲストを呼ぼうかなと思っていたんですが、思いのほか曲がいっぱいあって、無理やりゲストをはめ込むような感じでもなかったんで、いわゆる“ポップ・ミュージック”を自分なりに追求した、一本筋のあるものを作りたいなと思っています。でも久しぶりにソロをやってみて再確認したんですけど、作詞、作曲、アレンジ、歌っていうのは、やっぱりキツイですね(笑)。最初からそのスタイルでやってきたから、どうしてもやりたくなっちゃうんですけど(笑)。
長門: しかも高野君の場合はエンジニア的なことも自分でやっているわけでしょ?
高野: はい、ある程度は。トッドの悪影響で(笑)。
長門: ははは(笑)。ちなみに今後やってみたいことはありますか?
高野: 次は、いろんなアーティストと一緒にアルバムを作ってみたいなと思います。小山田(圭吾)くんとか、テイ・トウワくんとか。それで、細野(晴臣)さんにプロデュースをしてもらえたらいいなとか思っていて。あとはベニー・シングスにもプロデュースをお願いしてみたいですね。
長門: ベニー・シングス、いいですよね。
高野: 今、ベニー・シングスがいちばん好きなんです。ものすごくハマってますね。彼のプロデュース仕事も、ものすごくいいし。ベニー・シングスもトッド・ラングレン・フリークなんです。でも、今までの宅録系の人と違って、下半身がクラブ・ミュージックで上半身がトッド・ラングレンっていうバランス感覚があるから、すごく面白いなと思って。
長門: 一緒にやったら面白いものができそうだね。
高野: あとはリオにカシンっていう親友がいて。カエターノ・ヴェローゾの息子たちと一緒にバンドをやっていて、アート・リンゼイの弟子みたいな人なんですけど。
除川: カシンは、Saigenjiさんと一緒にやってますよね。
高野: そうです。去年リオに行った時に、彼から“スタジオに遊びにおいでよ”って誘われて、その時にセッションしようって言われたから、ただセッションするつもりだったのに、“新曲を録ってみようよ”って言われて。その場で2曲、デモをレコーディングしました。その感触もすごく良かったから、カシンとも一緒に何か作ってみたいですね。アルバム1枚ぐらい、すぐに出来そうな感じです。

長門: では、ここで恒例のハジレコ話に移りたいんだけど。一番最初に自分のお小遣いで買ったレコードって覚えていますか?
高野: たしか、かぐや姫のベスト盤と富田勲の『バミューダ・トライアングル』ですね(笑)。
長門: それはいつぐらい?
高野: 中2〜3です。僕は小5から中1まで、静岡の田舎の町に住んでいて、そこがレコード屋も楽器屋も何もないところだったんですね。その後、浜松に引っ越したら、やっとレコード屋があったので、初めて、その2枚のレコードを買ったんです。
除川: たしか青山陽一さんも、最初に買ったレコードは、かぐや姫だったって言ってましたよ。
高野: それにしても、今思うとすごい2枚ですね(笑)。僕のアンビバレンツな音楽人生を見事に象徴していますよ(笑)。
長門: 高野君の意外な秘密がわかったところで(笑)、最後に影響を受けた5枚を教えてもらいましょう。
〜高野寛さんの5枚〜

 「 YMO / YMO GO HOME 」
  −YMOを最初に聴いたときの衝撃は、今でも鮮明に覚えています−
 どれか1枚を選べなかったので、今日は細野さん監修のベスト盤を。YMOを本格的に聴きはじめたのは、高校に入った頃ですね。江口寿史さんの『すすめ!!パイレーツ』という漫画に、よくクラフトワークやYMOが出てきていたので、なんとなく興味を持つようになって。そのあとワールド・ツアーが話題になったときにFM東京の「ライヴ・フロム・ボトムライン」って番組で、ツアーの模様を放送していたのをテープに録って、高校に入った時にやっとアルバムを買ったんです。一番最初に買ったのは『ソリッド・ステイト・サヴァイバー』です。それまでなんとなく聴いてきた音楽と明らかに違うショックを受けました。YMOが木の幹みたいなもので、そこから根っこに行ったり、葉っぱに行ったり。YMOを通じて知ったものが、すごくいっぱいあって。僕がギターを始めた頃って、シンセサイザーがすごく高かったんです。モノフォニックのシンセが10万円くらいしたのかな。10万円で、単音しか音が出せないんじゃ音楽できないなと思って。それで結局、アコースティック・ギターとベースを買ったんですけど。ところが僕より3つ4つ年下の、槇原敬之くんとか石野卓球くんとか、その世代はもっとシンセが安くなっていたので、最初にシンセを買っちゃってるんですね(笑)。でも、そこでシンセが買えなかったことが、僕にとっては逆にラッキーだったんですよね。ギターを弾いているのにYMOが好きだっていうのがミュージシャンとしての自分の特徴に繋がっているんだろうなと思うし。あそこでギターを選んで良かったです(笑)。

 「 ザ・ビートルズ / リヴォルバー 」
  −ジョンの没後、ビートルズのアナザーサイドに目覚めたんです−
 80年にYMOの『ソリッド〜』を聴いたんですけど、その年の年末にジョン・レノンが亡くなって。それまではシングルになった代表曲しか知らなかったんですけど、たくさん放送された、ジョンの追悼特集番組を聴いた時「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」とかを初めて聴いて。そこからビートルズに対する意識が変わりました。ビートルズも本当は1枚を選べないんだけど、サイケデリックなものとポップなものが共存しているっていう意味では、このアルバムが一番、自分に大きな影響を与えているのかなと思うんです。改めて今の耳で聴き直すと、1曲1曲がすごくデコボコしてるんですよ。前は全然そういうことを意識してなかったんだけど、ビートルズって、まだLPがシングルの寄せ集めだった時代にデビューしていますよね。それで『ラバーソウル』とか『リヴォルバー』の頃から、アルバム1枚でのトータルな表現みたいなことが始まって。自分はこういうアルバムをすごく好きで聴いてきたけど、今は配信の時代になってシングル的なものが時流に合っているのだとすれば、『リヴォルバー』よりも前の形のほうが今の時代には響くのかなというふうに思っていて。前はこの作品のように、いろんな要素を自分のアルバムの中に詰め込まないと気が済まなかったんですけど、今は割と自然な気持ちで、あえて『リヴォルバー』以前の時代のLPに近いものを作りたいなと思っているんです。そこまで曲を絞り込んでアルバムを作ったことが今までなかったから、1回やってみようと思って。ビートルズのメンバーでいえば、僕はジョージ・ハリスンに立ち位置が似てるんじゃないでしょうか(笑)。ギタリストなんだけど、自分のアルバムでもギターを弾きまくれないという(笑)。そのへんの感じが、すごく身近に感じますね。ジョンは存在自体が圧倒的だし、ポール・マッカートニーはソングライターとしてものすごく優秀だと思うし、ふたりともヴォーカリストとしても突出しているけど、ジョージはそういう二人に囲まれて、年を重ねるごとにだんだん良くなっていくっていう。その感じを僕も目指していきたいなと思っています。

 「 トッド・ラングレン / ミンク・ホロウの世捨て人 」
  −この作品なくして、今の僕の音楽性は形成されていなかったと思います−
 このアルバムはトッドがウッドストックに自分のスタジオを作って間もない頃の作品で、一人多重録音が一番充実していた雰囲気がひしひしと伝わって来て、大好きで。すり切れるほど聞きました。輸入盤レコードの歌詞を書き起こして、辞書を引いて全部訳して、頭から全部歌って、ピアノのコード進行を耳で拾ってっていうのを大学時代にひたすらやっていたので、自分のソング・ライティングやアレンジのルーツの多くがこのアルバムにあるんです。高校時代はお金がなくてレコードが買えなかったんですけど、大学に入って真っ先に揃えたのがトッド・ラングレンのレコードで。まだ1stと2ndが中古盤ですごく高かった時代ですね。トッドの作るアルバムって、作り方も、すごくラフだし、ややローファイ気味というか、決して音質がいいとは言えないサウンドなのに、すごく良いなと思えるものばかりで。トッドには、音楽って決して機材や音の良し悪しだけじゃないんだよって教えてもらった部分がたくさんありますね。このアルバムも、78年発表だから、YMOの1stと同じ年に出ているのに、ニューウェーブやパンクの影響はみじんもないアルバム。完全に当時の潮流からはズレていたと思うんです。70年代初頭の感じですよね。そこも、またトッドらしいんですけど(笑)。

 「 XTC / スカイラーキング 」
  −デビュー時に良く聴いていて、曲作りのヒントにしていました−
 高橋幸宏さんと鈴木慶一さんのオーディションに合格したことが、僕がデビューするきっかけになったんですけど、当時、日本語の曲を書く方法がわからないと悩んで、2年間ぐらい曲作りだけしていた時期があったんですよ。その時期に一番よく聴いていたのが、このアルバムなんです。音楽雑誌の端っこのほうに載っていたニュースに“今度のXTCのアルバムはトッド・ラングレンがプロデュースしている”っていう記事を本屋さんで立ち読みして、“うわ〜!”って驚いて(笑)。こんなに発売前に楽しみにしていたアルバムはなかったです。だから、すごくよく覚えていて。先行の12インチを買ったときにも、ぶったまげたし(笑)。XTCのアルバムの中では、かなり、まったりした作品なんですけど、このアルバムが生まれる理由が、トッドのスタジオに行ってみてわかったんです。夜になると、2分に1度くらい流れ星が流れるのが見えたり、野生の鹿が普通に出没するような環境にスタジオがあって。だからスタジオは宅録的環境なんだけど、サウンドは決して密室的じゃないんですよね。開放された気分の中で、少人数で実験的なことをやっているっていう感覚が『スカイラーキング』と僕の『CUE』に通じる、不思議なバランス感なんですよね。

 「 忌野清志郎 / GOD 」
  −間違いなく、僕のこれまでの音楽人生の後半に、
      最も大きな影響を与えてくれたのが清志郎さんだと思います−
 清志郎さんとは90年前後に仲良くしてもらって、よく雑誌で対談したりしていて。それで、“今度、曲でも一緒に作ろうか”って言われたのを僕が真に受けて、リハーサル・スタジオにギターを持っていったのが、そもそもの始まりですね。それで、お互いに曲を持ち寄ったら、意外にサクサクって形になっていって。2日で8曲録って、そのうちの2曲は結局、清志郎さんのアルバム『Ruffy Tuffy』に入っている「レッド・ニャンニャン」と、僕のアルバムに入っている「かならず」っていう曲なんですけど、他の曲が未発表なので、いつか形にできたらいいなと思っています。実は僕、RCサクセションはリアルタイムでは、そんなに深追いしていなかったんです。僕が一緒に遊んでもらったりした『COVERS』以降、清志郎さんが結婚して子供ができて、徐々に温かい唄もいっぱい歌うようになって、そういう時期の方が自分にとっては親しみがあるんですね。楽曲の濃さでいうと、僕は今、このアルバムが一番好きですね。


〜高野寛さんの5枚〜
YMO
/YMO GO HOME
SONY GT music MHCL-1043
ザ・ビートルズ
/リヴォルバー
EMIミュージックジャパン TOCP-71007

トッド・ラングレン
/ミンク・ホロウの世捨て人
[SHM-CD 紙ジャケ仕様完全生産限定盤]
BEARSVILLE VICP-70065
XTC
/SKYLARKING
[Remaster]
<輸入盤 Caroline>
忌野清志郎
/GOD
<紙ジャケ仕様初回限定盤>
UNIVERSAL UMCC-9006

  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談議が続いています。

高野 寛さんのオーダー
ギネス・ビール


    news!!

レコミンツPART-1&2にて、下記の高野 寛関連CDをお買いあげの方に、
オリジナル特典(高野 寛直筆サイン入りオリジナル・ポスト・カード)をプレゼントいたします!
さらに先着10名様に「LOV」発売時のステッカーをプレゼント!
数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。

○高野 寛/Black & White ¥1,200(税込)
○高野 寛/LOV ¥1,200(税込) 
○高野 寛/CUE<紙ジャケット仕様初回限定盤> ¥2,500(税込)
○高野 寛/AWAKENING<紙ジャケット仕様初回限定盤> ¥2,500(税込)
○高野 寛/THANKS<紙ジャケット仕様初回限定盤> ¥2,500(税込)
○高野 寛/I(ai)<紙ジャケット仕様初回限定盤> ¥2,500(税込)
○高野 寛/Sorrow and Smile<紙ジャケット仕様初回限定盤> ¥2,500(税込)
○高野 寛/RAIN OR SHINE<紙ジャケット仕様初回限定盤> ¥2,500(税込)
○Pupa/floating pupa ¥3,000(税込)

○高野 寛
/Black & White
 ¥1,200(税込)
○高野 寛
/LOV
 ¥1,200(税込)
○高野 寛
/CUE
<紙ジャケット仕様初回限定盤>
 ¥2,500(税込)

○高野 寛
/AWAKENING
<紙ジャケット仕様初回限定盤>
 ¥2,500(税込)
○高野 寛
/THANKS
<紙ジャケット仕様初回限定盤>
 ¥2,500(税込)
○高野 寛
/I(ai)
<紙ジャケット仕様初回限定盤>
 ¥2,500(税込)

○高野 寛
/Sorrow and Smile
<紙ジャケット仕様初回限定盤>
 ¥2,500(税込)
○高野 寛
/RAIN OR SHINE
<紙ジャケット仕様初回限定盤>
 ¥2,500(税込)
○Pupa
/floating pupa
 ¥3,000(税込)


※特典付き商品は、完売致しました。
『recomints PART-1,2』までご来店、もしくは通信販売にてご購入戴けます。
『recomints PART-1,2』の詳細はコチラ(電話番号もコチラでご確認戴けます)。
お気軽にお問い合わせ下さい。


     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。

mints Barは、コチラのお店をお借りして、撮影しています。


ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階
Tel : 03-3387-7906



第三十五夜  おわり
これまでにご来店いただいたお客様のページはコチラから >>


▲TOPへ
買取メニュー >>> ROCK/POPS/PUNK | PROGRESSIVE ROCK | HR / HM | SOUL / BLUES
JAZZ | CLUB MUSIC/POST ROCK | J-POP/ROCK | MUSIC DVD邦楽 | MUSIC DVD邦楽 | サウンドトラック | DVDオーディオ
新作&買取強化タイトル | 洋画 あ〜さ | 洋画 た〜は | 洋画 ま〜わ | 洋画 Blu-ray | 亜細亜
邦画 廃盤・希少盤 | 邦画 あ〜さ | 邦画 た〜は | 邦画 ま〜わ | 邦画 Blu-ray | TVドラマ
アニメDVD 単品 | アニメDVD BOX/セット | アニメDVD 声優・アニメ歌手 | アニメDVD 海外・アートアニメ | アニメ Blu-ray
アニメCD あ〜さ | アニメCD た〜は | アニメCD ま〜わ | ゲームCD あ〜さ | ゲームCD た〜わ
アニメCD主題歌オムニバス
| アニメCD アニメ歌手 | アニメCD 声優 | アニメCD 東方同人系
特撮 DVD | 特撮 Blu-ray | 特撮 CD |

MENU >>> TOP | アクセスMAP | 買取方法 | 会社概要 | 求人情報
Copyright(C) FUJIYA AVIC. All Rights Reserved. 第5211025号
このホームページに掲載されている記事・写真等の無断転記を禁じます。