mintsBar 今夜のお客様は「ワールド・スタンダード 鈴木惣一朗さん」です!  

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”今夜のお客様は
        鈴木 茂さんです。“
【鈴木 茂 プロフィール】
1951年東京生まれ。ギタリスト、シンガー、アレンジャー、プロデューサー。70年に細野晴臣、大滝詠一、松本隆とはっぴいえんどを結成し、日本のロックの黎明期を確立した。はっぴいえんど解散後、74年に単身L.A.に渡りソロ・アルバム『BAND WAGON』を完成させる。帰国後、アルバムリリースに合わせ、佐藤博らと鈴木茂&ハックルバックを結成し、全国ツアーを行う。その後、ティン・パン・アレーのメンバーとして数多くのセッション活動を重ね、ソロとしても7枚のアルバムをリリースするかたわら、スタジオ・ワーク、ライヴ・サポート、アレンジャー、プロデューサーとしても活躍。歌心溢れるフレージングと、ライヴ演奏でのギター・プレイに身も心も酔うファンも少なくない。03年には再び自らのバンドとして、鈴木茂BANDを結成し、ライヴ活動に力を入れている。

鈴木 茂 オフィシャル・ホームページ
http://www.suzuki-shigeru.com/
除川: いらっしゃいませ。mints Barへようこそ。
鈴木: こんばんは。どうも、どうも、長門くん(笑)。
長門: いらっしゃい、茂くん。元気そうだね(笑)。
除川: まずは、お飲み物はいかがいたしますか?
鈴木: そうだね。じゃあ、オレンジ・ジュースにしてもらおうかな。

長門: 丁度、今、青山(陽一)君と堂島(孝平)君とのツアー「Root is One〜歌う ギタリスト達の宴」の途中なのかな?今の所、どんな具合で進んでいるの?
鈴木: うん、大阪のシャングリラで9/1(土)を終えて、かなり盛り上がったよ(笑)。
長門: 今回のツアー・バンドは、安定していながらもスリルのあるバンドだよね。
鈴木: すごい良いバンドだね。キーボードは伊藤(隆博)君で、ベースが千ヶ崎 (学)君、ドラムが女性なんだけど、中原由貴さん。彼女はパワーがあってすごく良いよね。
長門: 青山君とはもう何度もやっているとは思うけど、堂島君とは初めて?
鈴木: いや、何回か一緒にやったことがあるんだ。ジョージ・ハリソンのトリビュートでライヴをやったりしたのかな。彼はアイドルみたいで、大阪ではファンの娘達が凄かったよ(笑)。
長門: でも、昔は茂くんだって、黄色い声援を一手に受けてたよね(笑)。青山君とのツインリードとかは、どんな感じだった?
鈴木: うん、二人でハモっているのが、実に気持ち良かったですよ。
長門: そうかぁ。ツアー・ファイナルの9/23の渋谷も楽しみだねぇ。ここ近年、ライヴづいているみたいだね。
鈴木: 一時期、80年代から90年代にかけてぐらいに全くやらない時期があって、99年に久しぶりに佐藤(博)さんとバンドTalk-ageをやった辺りから、またやり始めたって感じだよね。80年代の頃は周りの環境が、ギタリストにとってはライヴがやりづらい頃で、キーボードが中心のサウンドが流行っていたからかな。
長門: でもその頃はスタジオ仕事が中心だった?
鈴木: そう、スタジオ仕事と、中島(みゆき)さんの『夜会』を10年間ぐらいやっていたんですよ。『夜会』っていうのが凄くて、ほとんど毎回ライヴ・レコーディング。ちょっとでもミスすると、すごい勢いで怒られるの(笑)。

除川: 茂さんと長門さんの最初の出会いって、やはり長崎のイベント『大震祭』なんですか?
長門: そうそう、72年の8月5日、先月で35周年。僕と地元の仲間達が主催したイベントで、はっぴいえんどを呼ぼうということになって。はっぴいえんどは九州初めてだったんだよね。長崎の後、博多の能古島と、小倉だったのかな。
鈴木: うんうん。長崎は良く覚えているよ。あれは楽しかった。
長門: イベントが終わって、僕が能古島行きの船着き場まで車で送っていったんだ。
鈴木: あぁ、そうだったねぇ。能古島では、山の上の野外で演奏して、大変なライヴだった記憶があるね。
長門: 直接会ったのは、その時が初めてだったんだけど、その前から日比谷野音とかで、はっぴいえんどのライヴは観ていたからね。僕は72年の秋に矢野(誠)さんに呼ばれて、東京に舞い戻って、シュガー・ベイブのマネージャーとして風都市に入っているから、はっぴいえんどの最後〜キャラメル・ママ〜ティン・パン・アレーに繋がるんだよね。
鈴木: そうか。スタジオ仕事がどんどん入って来た頃に、一番良く会っていたんだね。

はっぴいえんど/はっぴいえんどBOX
『大震祭』の模様はDISC7に完全収録

長門: 改めて訊くけど、はっぴいえんどの頃ってどこでレコードハンティングしていたの?
鈴木: はっぴいの頃は、とにかく細野(晴臣)さんの家でレコードを聴かせてもらっていたんだよ。それも朝まで。レコ屋に行くようになったのは、パイド・パイパーやCISCOとかが出てきた頃になってからかなぁ。その前はメロディ・ハウスとかだったよね。
長門: お目当てのレコードを探しに行く感じか、行って何か見つけるか、どっちだったの?
鈴木: 最初の頃は、必要なモノとか買うモノを決めて行っていたけど、その後はジャケットを見て買ったり、直感や冒険って感じだったね。
長門: そうかぁ。パイドでは売りつけたレコもあったよね(笑)。でもミュージシャンだから、新しいアンプやエフェクターとか、新しい機材が出てきたら、そっちの方にいっちゃうよね。特に茂くんは、凝るから。
鈴木: そうそう、あるよね。元々、音楽やる前はそっちがメインだったんですよ。中学生の頃は、家で100Vの電気ショックをビリビリって味わいながら、ラジオとかを一晩中作ってた(笑)。丁度できあがった時に、ビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」だったか「シー・ラヴズ・ユー」が流れて来てさ。だからビートルズの初期を聴くと、ラジオを一生懸命組み立てていた頃がフラッシュ・バックするよね。『初歩のラジオ』っていう本があって、組み立て方や部品リストが載っていて、それを書き写して、秋葉原まで部品買いに行って。オタクの元祖ですよね(笑)。元々、小学校の同級生にアマチュア無線をやっていた友達が居て、彼の家に遊びに行った時に、ダイヤルがいっぱい付いているスゴイ機械が並んでいるじゃないですか。うわ〜すごいな〜って(笑)!僕も憧れて受信機を作るまでいったんだけど、近くの材木屋さんで買ってきた竹竿で作ったアンテナに雷が落ちて、うわ〜っ!やばいっ!て(笑)。それで明くる日にはもうやめちゃったんだよな(笑)。
長門: その頃はギターや音楽に興味は無かったの?
鈴木: 兄がギターやシングル・レコードを持っていて、レコードは良く聴いていたんだけどね。だけど、ギターを弾こうとは思わなかった。中学2年の夏休みに友達の家に遊びに行った時にギターがあって、ちょっと触らせてくれって、ヴェンチャーズの「パイプライン」の弾き方を訊いて弾き出したの。そしたら、はまっちゃってさ(笑)。それから一年半くらいは、とにかく毎日弾いて、それで高校1年の時にはもう細野さん達と演っていたんだよね。僕の兄の友達に柳田ヒロさんがいて、“奥沢にギターの上手いのが居る”って家まで来て、ロス・インディオス・ダバハラスのLP持って来て、”これコピーしとけ“って渡されて(笑)。
長門: ギターは自己流でやっていたわけだよね。誰かに教えてもらっていたのではなくて。
鈴木: うん。ドーナツ盤をレコード・プレーヤーで、回転数を遅くしたりとかしてコピーして覚えたんだよね。だから、コードじゃなくてメロディばっかり覚えたね。

長門: 茂くんのギター・ヒーローといえばまず、ヴェンチャーズだと思うんだけど、歌モノだと誰に夢中だったの?
鈴木: あの頃、ビートルズがヴェンチャーズと並行して流行っていたじゃないですか?レコードを聴くっていうことだけであれば、やっぱりビートルズを聴いていましたよね。あとはザ・フーとか。細野さん達と出会う前はイギリスのロックがほとんどで、クリーム、ヤードバーズ、特にプロコル・ハルムが好きだったのかな?そういうのを聴いていて、細野さんの家に遊びに行った時に、ウェスト・コーストのバッファロー・スプリングスフィールドやモビー・グレイプだとかを聴かされて、うわぁ〜!アメリカのロックも面白いって。それまではロックだけだったんだけど、細野さんの処に行くようになってからは、段々カントリー臭くなっていくんだよ(笑)。はっぴいえんどの1枚目(『はっぴいえんど』通称:ゆでめん)は、まだイギリスのイメージを引きずっていたから、自分の気持ちとしてはジミ・ヘンドリックスだったの(笑)。『ゆでめん』を作り終わって直後、大阪とかに呼ばれて旅をしている中で、音楽的にもアメリカの影響が段々強くなっていくんだよね。
長門: それで3枚目の、アメリカのロスで録音した『HAPPY END』の頃にはリトル・フィート、ヴァン・ダイク・パークスに行くわけなんだね。
鈴木: そうだね。ロスのクローバー・スタジオでリトル・フィートが録音していて、ローウェル・ジョージが真ん中に立って、円陣を組んだ一人一人を見回してウネウネ煽りながら、音を作っていくんだよね。それでリズムを録り終わってから、自分のスライドを重ねていく。あの風景が、かなりショックというか頭の中に焼き付いちゃってね。その後、はっぴいえんどは解散したんだけど、ティン・パン・アレーを作るでしょ。だけどティン・パンは自分達で唄うっていうのをあまりしなくて、結局バッキングの仕事がメインになってきてしまってね。ソロ・アルバムを作る時に、やっぱり前にロスでリトル・フィートを見た時の感じとかイメージが残っていて、それをまとめたいと思ったのが『BAND WAGON』に繋がるのかなって感じなんだよね。
長門: こないだ細野さんが言っていたのは、最初にヴァン・ダイクとやった時に、今までヘッド・アレンジでやっていたのとは違う制作方法。レイヤーというか、音を重ねていって作るみたいな事を初めて経験したって。『HAPPY END』の時のヴァン・ダイクの印象はどうだった?
鈴木: いや〜もう最初っから変わり者だっていうふうに紹介されたもんだからねぇ(笑)。でも実際そうだった(笑)。ピアノを演奏していて急に立ち上がって、”第二次世界大戦はおまえたちが悪いんだっ!”とか(笑)、”お前達の国の首相は誰だ?”とか(笑)。それから、その時に感じたのはスタジオの音だよね。はっぴいえんどはサンセット・スタジオで、リトル・フィートはクローバー・スタジオで録音していたんだけれど、音が違うんだよね。どっちも良い音だったけど、クローバーの方が、よりロック的なパンチの有る音だったの。当時は、大きなスタジオには必ずお抱えのエンジニアが居て、彼らが録音機材をチューンナップしたり改造していくんですよね。だからスタジオも個々に音が違っていて、次にやるんだったらクローバーの方が良いなって思ってた。
長門: そういう経験があったから、『BAND WAGON』を一人でアメリカに作りに行けたんだね。昔から茂くんは、音へのこだわりって人一倍すごかったよね。最近もエフェクターを自分でつくっちゃったんでしょ。
※詳細はコチラ
鈴木: そうそう、自分の中では音楽とエレクトロニクスと言うのが、両方一緒に成り立っているんだ。ギターや楽器は有る程度揃えられてたので、録音機材を集め出したんですよ。録音機材を集める様になってきてから、知らなかった音が分かるようになってね。録音機材には、楽器用のアンプとは違った歴史があって、1930年代にウェスタン・エレクトリックっていう会社が制作した機材が、当時の映画館のモニターシステムに使われていたんだ。36年には、ものすごく大きな、ミラフォニックサウンドシステムのMシリーズを作った、それが今でも世界で最高って言われているセットだと思う。とにかく音は、クローバーでもサンセットでもかなわない、すごい良い音だったようだ。それにはいくつかの理由があって、そのひとつが、昔の鉄は不純物を多く含んでいたの。それが多いと倍音を生むんだよね。だから魅力的な良い音になる訳。だから、現在作られている機材や楽器っていうのは、ヴィンテージの好きな僕から見ると、音質はどんどん悪くなっているように感じるんだよね。機能や性能は、あがっているんだけどね。僕は、基本的には自分の中にイメージしている音があって、それがたまたま、古い機材の方が作るのにふさわしいって事に気がついたんだ。エンジニアとしてはボブ・クリアマウンテンが作っている音が素晴らしいなと思っている。どういうオーディオ・セットで聴いても、大体同じように聞こえるからね。今はどんどんワイドレンジで、高域も低域も広げているじゃないですか。でも彼はいわゆるAMラジオに合わせたような、音作りをしているんだと思うね。
長門: そうか。これから茂くんとしては、何をしていきたいのかな?
鈴木: やっぱり、自分でミキシングをして、良い音を作っていきたいんですよ。最近、新人をプロデュースしたんですけど、ミキシング上のいろんな発見があって、そういうのを活かしてから、自分の昔のレコード『BAND WAGON』と『LAGOON』のリミックスをやりたいなぁと思っているんですけどね。それを来年、できたらやろうかって、今、ちょっと計画しているですよ。
長門: プロデュースした新人って?他にもいろいろやっているとは思うけど。
鈴木: 立道聡子さんっていう全盲のピアノ弾き語りシンガー・ソング・ライターで、ご主人も全盲で生ギターを弾いて、すごい良いんだ。シングルを2曲、プロデュースしています。それが一番最近かな。ちょっと前は(井上)陽水の1曲だけをやったり、今CMで流れているユーミンの撮影は7月に三浦で。当日は雨でね(笑)大変でした(笑)。

長門: じゃ、もう一つ、改めて茂くんに影響を与えた作品って何?5つくらいあげてみてよ。
鈴木: 曲単位でも良いかな?えっとまずは、

「 フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション / フリーク・アウト 」
 これには「トラブル・カミング・エヴリィ・ディ」、邦題で「つらい浮き世」っていう曲が入っていて、それを細野さんと一緒にドライ・アイス・センセーションっていう名前のバンドでやっていたんだよ。ある日、お医者さんのパーティーで呼ばれて、そのパーティーって、皆タキシードと白いドレスの女の人だらけでさ(笑)。完全なフォーマルなパーティー。そこでやったんだ。そしたら皆社交ダンスを踊り始めて、あれ面白かったなぁ(笑)。

「 ルル / いつも心に太陽を (アナログ・シングル) 」
 これはヴォーカル・モノで一番最初に好きになった曲だね。映画でもヒットしたんだよね。ルルは主演のシドニー・ポワチエと共演しているんだよ。これはラジオで聴いてトキメいたね(笑)。意外でしょ?(笑)。ジミヘン聴いていたのが、いきなりルルにいっちゃったの(笑)。

「 ヤードバーズ / ロジャー・ジ・エンジニア 」
 ここに入っている「ロスト・ウーマン」や、サントラでヤードバーズがやっていた「欲望〜BLOW UP」は、細野さんがエイプリル・フールにいっちゃってから、小原(礼)君と林(立夫)君と3人で組んでいたバンド「スカイ」でよくやっていた曲なんですよ。

「 プロコル・ハルム / 月の光 」
 はっぴいえんどに入る頃に良く聴いていましたね。「シャイン・オン・ブライトリー」は、いっつも涙流しながら聴いてたんですよ。“あぁ〜いいなぁ〜”って。まだ若かったからね(笑)。本当にこうじわ〜っと目に熱いモノがこみ上がってきたよね。今じゃ全く無いんだけども(笑)。ユーミンもプロコル・ハルムが好きだったようで、ティン・パンがバッキングする時に、ユーミンはプロコル・ハルムのイメージがあったようだった。だけどティン・パンってウェスト・コーストのイメージだったでしょ。それでなんか敬遠されていたみたいなんだよね(笑)。音出してみたら、うまくまとまったけどね。

「 デイヴ・メイスン / アローン・トゥゲザー 」
 ジム・ゴードンがドラムを叩いていた、このレコードが好きだね。ドラムがすごい良い音!僕、実はデイヴ・メイスンの影響って結構受けているんですよ。デイヴ・メイスンがアメリカに行って、南部の影響〜デラニー&ボニーに、かなり影響を受けて作った作品だよね。



フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・インヴェンション
『フリーク・アウト』
ビデオアーツミュージック VACK-5021
ルル
「いつも心に太陽を」
(アナログ・シングル)
ヤードバーズ
『ロジャー・ジ・エンジニア』
ビクターエンタテイメント VICP62987

プロコル・ハルム
『月の光+5』
ビクターエンタテイメント VICP63271
デイヴ・メイスン
『アローン・トゥゲザー』
ユニバーサルUICY-93009


  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談義が続いています。
     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。
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★Information★


 Flowers Land presents「Root is One〜歌うギタリスト達の宴〜」

   日時: 2007.9.23(sun)
   場所: Shibuya DUO music exchange
   出演: 青山陽一, 鈴木茂, 堂島孝平
   Musicians(The BM's): Key伊藤隆博, Ba千ヶ崎学, Dr中原由貴
   開場: 17:30 / 開演: 18:30
   Charge: 前売り:¥4,200- / 当日:¥4,500-
         *整理番号順・全自由・ドリンク代別途
   Ticket:レコミンツPART-1(03-3386-5554)にて販売中
        チケットぴあ (Pコード: 263-134 / 0570-02-9999)
        ローソンチケット(Lコード: 31334 / 0570-084-005)
        イープラス<PC・mobile> http://eplus.jp
   Info: SOGO 03-3405-9999
   企画・制作: Flowers Land / emc co.,ltd.
鈴木茂さんのオーダー
オレンジ・ジュース


撮影協力:ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階

第一四夜  おわり



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