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| 長門: |
そうそう、このCDって知ってますか? クマ原田さんが‘80年代にロンドンでやっていた“ブレックファスト・バンド”っていうバンドなんだけど、唯一のアルバム(『DOLPHIN
RIDE』)を、僕がやっているレーベルから再発させてもらったんです。よかったら聴いてみてください。 |
| 湯川: |
ありがとうございます。 |
| 長門: |
(内ジャケットの人物写真を指差して)ちなみに、これがクマさんね(笑)。 |
| 湯川: |
わ〜、細い!今の半分くらいしかないですね(笑)。なんとなく面影はあるけど。 |
| 長門: |
今は本物の熊みたいに大きくなってる(笑)。 |
| 湯川: |
昔は痩せてて、すごく格好良かったんですね。 |
| 長門: |
そうそう。すごく格好良かったの(笑)。 |
| 湯川: |
そりゃ、モテますよね。昔は、すごくモテたんだよって聞いていて、半分疑ってもいたんですけど(笑)。 |
| 長門: |
このバンドはスティール・ドラムをフィーチャーした、ブリティッシュ・ジャズ・ファンク・サウンドで、当時、知る人ぞ知るバンドとして、イギリスのミュージシャンにリスペクトされ、すごく人気があったんだよね。 |
| 湯川: |
クマさんも、このバンドのことをよく話していました。みんな、どこにいても、いろいろなもので音を出しはじめちゃうから、すごく騒々しいバンドだったって(笑)。(再びCDの内ジャケを見て)それにしても人に歴史ありですねぇ。 |
| 長門: |
この作品がリリースされたのは1982年だけど、潮音さんが生まれたのは……。 |
| 湯川: |
1年後の1983年です。 |
| 長門: |
小さな頃から、お父さんから音楽的な影響を受けていたんですか? |
| 湯川: |
そうですね。小さい頃から、レコーディング・スタジオとかライヴとか、いろんなところに連れていってもらったりしたので、すごく影響を受けていると思います。 |
| 長門: |
家では、どんな音楽が流れていたんですか? |
| 湯川: |
ローリング・ストーンズとかビートルズが印象に残っています。日本のバンドだと、スパイダースとか。あとはAC/DCとかハードロックっぽいものも、よくかかっていた気がします。でも、一番多かったのはクラシックですね。父のレコード棚は、クラシックが一番、多かったですし。 |
| 除川: |
小さい頃は、遠藤賢司さんのことを“カレーライスを作ってくれるおじさん”だと思っていたんですよね。 |
| 湯川: |
そうなんです(笑)。カレーライスを作ってくださって。父がエンケンさんのバンド(遠藤賢司バンド)でベースを弾いていたので、ライヴにもよく連れて行かれていたんですけど、実はエンケンさんのことが、ずっと怖かったんですよ(笑)。音を出しているというよりも、ボンボンボンボン、色を出しているような印象があって。子供の頃は、“きっと、この人は魔法使いなんだろうな”と思っていました。楽屋に挨拶に行くと、エンケンさんはいつも、チョコレートをくれるんですけど、魔法使いだと思っていたから、楽屋に行くのも怖くて(笑)。いまだに、その癖が残っているから、エンケンさんに会うと、毎回、変な緊張してしまうんです(笑)。 |
| 長門: |
ちなみに潮音さんが最初に触った楽器は? |
| 湯川: |
最初に触ったのは楽器じゃなくて機材だったんです。子供の頃から合唱団に所属していたので、自宅で練習のために、MTRで一人多重録音をはじめたんです。トラックごとに自分の声を入れて、ミックスして、ハーモニーの練習をしていました。曲を作りはじめたのも、それがきっかけですね。自宅にある楽器を自己流で演奏して、自分の声を多重録音したものをテープに録音して、EMIのオーディションに応募してました(笑)。その時の曲はAメロからFメロまであるような曲で、しかもサビがなくて(笑)。他にも不協和音をバンバン使った曲があったりして、友達からは“呪われそうな曲だね”って言われていました(笑)。当時、合唱団で、現代音楽をたくさん歌っていたので、不協和音がすごく気持ちよかったんですね。 |
| 長門: |
その後、シンガー・ソングライターとしてデビューを果たすわけだけど、お父さんからは、曲作りをするうえで何かアドバイスを受けましたか? |
| 湯川: |
アドバイスというか、私が作る曲を常に面白がって聴いてくれましたね。仕事をはじめてからは一人のミュージシャンとして見てくれているので、“この曲のここが、良い!”とか“このギターの音は、どうやって録ったの?”とか、いろいろ聞いてきます。「蝋燭を灯して」というシングルで、ジェームス・イハ(スマッシング・パンプキンズ)と一緒にレコーディングしたときは、本当に羨ましがっていましたね。“俺がやりたかった!”って(笑)。 |
| 長門: |
彼とは、そもそも、どういう繋がりで? |
| 湯川: |
私が出演した『リンダ リンダ リンダ』という映画の音楽を、ジェームスが担当していて、それで出来上がった映画を観たときに、劇中で歌っている私の姿を観て、“彼女は普段、何をしているコなの?”って気にしてくれたみたいで。それでシングルを作るときに、オファーしたら快くオッケーしてくれて。 |
| 除川: |
劇中で、はっぴいえんどの「風来坊」を歌っていましたが、あの曲は、ご自身でチョイスされたんですか? |
| 湯川: |
そうです。山下(敦弘)監督からは“「オー、ブレネリ」を歌ってほしい”と言われていたんですけど、“「風来坊」が歌えなきゃ、私、出たくないです”って言ったんですよ(笑)。それで監督をすごく困らせてしまって。 |
| 長門: |
なぜ「風来坊」をチョイスしたんですか? |
| 湯川: |
リフレインのある曲を歌ってほしいと言われていたんで、“だったら「風来坊」かな?”って(笑)。主人公の女のコたちがステージに到着するまで、場を繋ぐために、アドリブで歌うっていうシーンだったんですけど、今思えば、「風来坊」って高校生の女のコが咄嗟に思い付く歌じゃないですよね(笑)。 |
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