mintsBar 今夜のお客様は 今夜のお客さまは 塚本功さん です  

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”今夜のお客様は塚本功さんです。“
【塚本功 つかもといさお プロフィール】

’70年5月21日生れのシンガー・ソングライター&ギタリスト。RCサクセションやストリート・スライダーズを入り口に黒人音楽に興味を持ち、高校時代からバンド活動を開始。多摩美術大学在学中の’90年に自らがリーダーを務めるバンド、ネタンダーズを結成。’94年にピアニカ前田氏率いるピラニアンズでメジャー・デビュー。併行してネタンダーズでもCD制作やライヴ・ツアーを行うほか、現在はインストバンド、SLY MONGOOSEのメンバーとしても活躍中。また、ギタリストとして小島麻由美、イノトモ、小泉今日子、中島美嘉など、さまざまなアーティストのレコーディングやライヴに参加している。’02年4月にはエレキ・ギター1本によるインスト・アルバム『Electric Spanish-175』を発表するなどソロ活動もスタート。’09年7月には約5年ぶりとなるネタンダーズのフル・アルバム『“衝動”SYooDoo』がリリースされた。

塚本功 公式ホームページ
http://isao-tsukamoto.net/
ネタンダーズ 公式ホームページ
http://the-netanders.com
ネタンダーズ Myspace
http://www.myspace.com/netanders
除川: いらっしゃいませ、ようこそmintsBarへ。塚本さんお待ちしていました。
塚本: こんばんは。お久しぶりですね、除川さん。
長門: いらっしゃい。どうも初めまして。
塚本: 初めまして、長門さん。このお店のことはミュージシャン仲間から、いろいろ聞いていました。
長門: それはそれは(笑)。今日はゆっくりしていってください。
除川: お飲み物はいかがいたしますか?
塚本: じゃあ、ジンジャーエールをお願いします。

長門: 僕が最初に塚本さんの名前を意識したのは、イノトモのシングル「タンポポ」なんですよ。あの曲、てっきりイノトモの作詞・作曲だと思っていたんです。
塚本: あの曲は演奏もネタンダーズなんですよ。
長門: すごく、いい曲だなと思って。あと、テレビ東京の深夜ドラマ『週刊 真木よう子』の音楽も手掛けられていたんですね。
塚本: はい。2話分ぐらいやらせていただきました。
長門: 僕、あのドラマ、よく観ていたんですよ(笑)。彼女が歌っている主題歌(「GEE BABY AIN'T I GOOD TO YOU」)でもギターを弾いてるんですよね?
塚本: はい。あのドラマはスチャダラパーのSHINCOくんがサウンド・プロデュースを手掛けているんですけど、主題歌では僕がギターを弾いて、ピラニアンズや小島麻由美さんのバックで一緒に演奏している長山雄治くんがベースを弾いています。

長門: 塚本さんが初めて手にした楽器はギターだったんですか?
塚本: そうですね。
長門: それは、いつ頃ですか?
塚本: 小学校5、6年生の時ですね。オールディーズや映画音楽と一緒に、うちの親がビートルズを聴いていたので、ビートルズを通じて音楽に興味を持つようになって、それで家に置いてあったアコースティック・ギターを弾くようになったんです。
長門: エレキ・ギターを初めて弾いたのは?
塚本: 中学2年生ですね。親に買ってもらったんですけど、自分の中で、ちょっと分かれ道があって。あの頃、日本のロックが流行りはじめていて、RCサクセションとYMOが人気を集めていたので、親に買ってもらう時、シンセサイザーにしようかエレキ・ギターにしようか本気で悩んだんですよ(笑)。シンセサイザーだとコタツに入りながら演奏できるから、寒い日でも演奏できるな、とか(笑)。
長門: ははは。でも、そこでギターにいったわけですよね。
塚本: はい。それでバンドを組んで、シーナ&ザ・ロケッツとかRCサクセションの曲をコピーしはじめて。ガッツリ長くやったのはストリート・スライダースとRCのコピーバンドでしたね。スライダースの方ではギター&ヴォーカルでハリーさん、RCの方ではギター専任でチャボさんの役をやってました(笑)。
長門: ちなみに演奏はどういう場所で?
塚本: ライヴ・ハウスでも演奏しましたし、あとは文化会館みたいなところとか。そういう場所を借りるために協力してくれた大人がいたんですね。
長門: オリジナル曲をやるようになったのは?
塚本: 中学3年生のときに友達と一緒に作ったのが最初ですね。それでコンテストに応募したりしたんですけど、やっぱり全然、引っ掛からなくて(笑)。その頃から、ちょっとずつオリジナルを作りはじめるようになったんですけど、なかなかバンドで演奏するまでには至らならなかったですね。1曲か2曲はライヴのレパートリーに混ぜていたんですけど。
長門: その頃、好きだったギタリストは誰だったんですか?
塚本: やっぱりRCのチャボさんですかね。で、RCとか聴いてると“ブルース”っていうキーワードが気になってくるんですよね。それで最初はローリング・ストーンズから入って、そこから徐々にルーツをさかのぼって、ブルースを聴くようになったんです。その影響で高校の2年か3年ぐらいの時には、エフェクターを繋がずにアンプ直結でギターを弾くようになっていましたね。ヴォリュームを上げれば音が歪むっていうことに気がついたりして。
除川: ギター・スタイルがその頃、すでに出来上がっていたんですね(笑)。
塚本: 少し芽生えはじめていましたね(笑)。でも、当時は何も判らなかったんで、ヴォリュームから何から全部フルテンだったんですよ(笑)。
除川: その頃からギターもすでにセミ・アコとかフル・アコだったんですか?
塚本: 最初の頃はヤマハのストラト・タイプのギターでした。それでノンエフェクトになったときは、テレキャスの穴の空いてるシンライン。そういうのを“渋いぜ”って思いながら弾いていました。でも、アンプ全開で“ジャカジャ〜ン!”って弾いていたから、“渋い”っていうよりも“やかましい!”っていう感じでしたね(笑)。
長門: その頃はバンド自体もフル・ヴォリュームでやっていたんですか?
塚本: そういうことすら当時は全然判っていなかったから、音についてメンバーと話もしなかったですね(笑)。ピラニアンズを始めたあたりから、ヴォリュームとか真面目に考えるようになった気がします。ただ、その頃はそんなに大きなアンプも使ってなかったんで、意外とショボい音だったかもしれませんね(笑)。

長門: 塚本さんは多摩美(多摩美術大学)出身なんですよね。
塚本: ええ。そうです。
長門: 多摩美といえば、古くはユーミンに始まり、あとは、ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんが卒業生として有名ですよね。
塚本: ゆらゆら帝国は、僕が1年生のときに4年生でした。あとは今野英明くんとか、いろんな人がいましたね。
長門: いわゆる普通のロックっぽい人がいない印象があるんだけど(笑)、そういった環境からは影響を受けましたか?
塚本: そうですね。僕もそういう環境を求めて多摩美を選んだので。親には非常に申し訳ないんですけど(笑)。それで大学時代にネタンダーズを結成したんです。
長門: すごく初歩的な質問ですけど、グループ名の由来は?
塚本: 昔、「僕はあの娘と寝たんだ〜、みんなオイラを妬んだ〜」ってオリジナル曲を作ったことがあったんですけど、その時に、バンドをやるんだったらネタンダーズという名前でやろうと思ったんです。あとは、たとえば「スタンダード(スタンダーズ)」にピッて線を引いたら「ネタンダーズ」に見えるなとか、ネオ・スタンダードの略とか(笑)。後付けの由来を考えるのが大変でしたけど(笑)。
長門: 塚本さんと同じギブソンのES-175Tを使っているロック・バンドって、実はそんなに多くないですよね。
塚本: そうですね。三宅伸治さんとかブルース系のプレイヤーが使っているのを見て憧れていたんです。最初に買ったのはES-125っていう薄いフルアコだったんですけど。それを学生のときに手に入れて、何も分からずにネックでベンドしていたら壊れてしまって。それを修理に出しにいった時、今、使ってるES-175Tに出会って。
長門: 何年製ですか?
塚本: たぶん73〜74年製だと思います。ほんの一時期しか作ってなかったみたいで。あまり流行らなかったみたいですね。
長門: マーシャル・クレンショウってご存知ですか? 『ラ・バンバ』って映画でバディ・ホリー役をやってるんだけど。彼がやっぱりES-175Tを使ってるんですよね。54年製の。塚本さんと共通点があるなと思ったのは、彼も自分のソロ・アルバムで昔の映画音楽風のインストを演奏したりしているんですよね。
塚本: 何かの記事で読んだんですけど、ミーターズのレオ・ノセンテリもES-175Tを使っていたみたいですね。憧れていたので、それもすごく嬉しかったです。
長門: あとはウェス・モンゴメリーとかジョー・パス、そういえばハース・マルティネスの従兄弟のデニス・バディマーっていうジャズ・ギタリストもES-175Tを使っていますね。
ギターはずっとその1本ですか?
塚本: そうですね。僕が使っているESシリーズって、合板を加工してカーヴをつけていて、音の感じが他のギブソンのモデルと全然違うんです。僕なんかはアタックの強いガチガチした音が好きなんですけど、ES-175Tはファンクもできるし、ロックもできるし、かなり広い範囲の音楽を演奏するのに適していて。しかも僕が使っているギターはネックも頑丈なんですよ。それもあって今までこの1台でやってこれたんだと思います。

長門: 7月にネタンダーズのニュー・アルバム『“衝動”SYooDoo』が発売されましたが、アルバムは約5年ぶりですか?
塚本: そうですね。活動20年でフル・アルバムは5枚目になるのかな?
長門: 結成から現在まで、活動休止とか解散とか、なかったわけですよね。
塚本: そうですね。でも、ここ何年かは、年に数回、ライヴをやっているっていう状態で。僕は、どういうわけか音楽だけで生活できているんですけど、たとえばリーダーをやっているドラムの高野(純一)は普段は会社に務めながら音楽を続けているんですね。でも、彼は年に数回しか人前でドラムを叩いていないのに、なぜか、どんどん上手くなっているんですよ(笑)。これが、やめられない理由なんですかね(笑)。そうやってバンドとして成長している感じが、ひしひしと感じられるので、数ヵ月に1回、ライヴをやるだけでもバンドを続けていられるんですね。
長門: ライヴのたびにメンバーで新曲を持ち寄って演奏しているんですか?
塚本: まあ、新曲といっても1曲2曲ぐらいで。作りかけの曲が意外といっぱいあるんです(笑)。今でも完成したらやりたいなと思っているストック曲がカセットに入っていて。そんな曲を選んでは、他のメンバーに歌詞をお願いしたり、あるいはインスト・ナンバーとして演奏したり。そんな感じで徐々に曲のレパートリーを増やしている感じです。
長門: 今回のアルバムからサックスが1本増えたんですよね。
塚本: :はい。EGO-WRAPPIN’でも吹いている武嶋聡くんがメンバーに加わりました。
長門: 武嶋さんとは古くからの付き合いなんですか?
塚本: そうですね。大阪に行くと、いつも決まって演奏するバーがあるんですけど、そこのマスターが古くからEGO-WRAPPIN’周辺のアーティストと親しくて。数年前に、その店のマスターから「武嶋と一緒にやってみませんか?」って誘ってもらって。直接、接点を持ったのは、それが最初ですね。ずっと昔の話をすると、大阪のクアトロで、EGO-WRAPPIN’がハードロックみたいなことをやっていた時代にネタンダーズで1回、対バンしたことがあって。たぶん東京でEGO-WRAPPIN’がライヴを1回もやっていなかった時代だと思うんですけど。
除川: そもそもバンドにホーンを入れたのには、どんな狙いがあったんですか?
塚本: 初期のネタンダーズって僕がギター&ヴォーカルで、あとはベースとトロンボーンっていう編成だったんですよ。トロンボーンの奴は大学の同じクラスで目立っていたから一緒にやろうって誘ったんですけど(笑)。そこにドラムが入った編成で結構、長い間、活動していたんです。あとは好きな音楽に管楽器が入っているパターンが多かったので、そういう影響もあるんじゃないかと思います。だから管楽器にはこだわりがありましたね。今は、何が何でも管楽器が入ってなければいけないとは思わなくなりましたけど。

長門: 今回のアルバムにもブッカー・T&ザMG’sのカヴァーで御馴染みの「NEVER MY LOVE」が入っていたり、割と昔からMG’sとか、あのあたりの音楽が好きだったんですか?
塚本: そうですね。やっぱり清志郎さんの影響で。
長門: たとえばバンドに鍵盤を入れようとは思わなかったんですか?
塚本: ヘタすりゃ音って限りなく重ねられるわけじゃないですか。そう考えたら、どう関わったらいいのかわからなくって。僕、自分が考えるアレンジに、なかなか鍵盤が入ってこないんです。もともと管楽器奏者がいるからっていうのもあると思うんですけど、基本的にトリオ編成+何か一味みたいなところがあるんですよね。後期のザ・ジャムみたいな、トリオのロック・バンドに管楽器が入っていたりするイメージに近いというか。ギター、ベース、ドラムを中心に音を作るという考えが、どうしても根本にあったんで。
長門: そういえば忌野清志郎さんが、ネタンダーズのことを有望な若手バンドとして推薦していたことがありましたよね。あれは、いつぐらいだったかな? 
塚本: UKプロジェクトっていうレーベルで’95年に『ネタンダーズ』という1stアルバムを出したんですけど、ちょうどその頃、清志郎さん関連のイベントに呼んでもらうことが何度かありましたね。
長門: その時はどうでした? 10代の頃から清志郎さんに憧れてたわけですよね?
塚本: もう、ドキドキしました。最初にお会いしたのは、下北沢のCLUB Queでしたね。山本キヨシくんっていう当時、清志郎さんのローディをやっていた人のバンドとネタンダーズで対バンしたことがあって、そのときに清志郎さんが山本くんのゲストで来てたんですよ。それでライヴを観てもらって、楽屋で「Hiサウンドだねえ」とか言ってもらって。そういえば、一度だけ直電をもらったこともありましたね。真夜中の1時か2時くらいに家の電話が鳴って。受話器を取ったら「もしもし? もしもし?」って子供の声がして。それで「怖っ!」とか思ってたら、突然、聞き慣れた声で「もしもし、イサムくん」って(笑)。思わず「はい、イサムです」って答えてしまいましたけど(笑・・・正:イサオ)。
長門: ははは(笑)。そのときはどんな話を?
塚本: 「俺たちは夜中に寝ないで曲を書かないとダメなんだよ」とか、そういう、ありがたいお話ですね。僕は緊張して何も話せなかったですけど(笑)。

長門: これまでに発表された2枚のソロ・アルバム(『Electric Spanish-175』、『Stompin'』)も聴かせてもらって。ニニ・ロッソの「さすらいのトランペット」や「太陽がいっぱい」なんて古いヒット曲や映画音楽をカヴァーしたりしていて、それがすごく印象的でした。
塚本: あれは親が家で聴いていたんです。
長門: ご両親はおいくつなんですか?
塚本: 父親は昭和16年生まれで、母親は17年生まれです。あのへんの映画音楽を子供の頃に、“すごく暗い曲だな”と思いながら聴いていた記憶があって。その頃に染み付いたものって、他には変えがたい感じがあるんですよね。良いとか悪いとか、そういう次元じゃないというか。それを今、ほじくり返しても面白いなって。
長門: 僕は昭和25年生まれだから、ご両親よりは年下なんだけど、60年代の前半っていうのは、ニニ・ロッソとかスリー・サンズとかそういう音楽と一緒にロカビリーがラジオから流れているような時代だったんですよね。そういう選曲のアルバムだったから、これを同年代の人がやっているならまだしも、塚本さんみたいな若いミュージシャンがやっているということが、すごく面白いなと思いました。ニニ・ロッソが入っている一方で、リンク・レイが入っていたり(笑)。そういうバランス感覚も興味深くて。
塚本: 実はそのあたりを自分では深く意識してないんですよ。僕ら以降の世代の人は、新譜ばかり聴くような感じじゃなくなってきていて、新譜を聴くのと同じような感覚で、古い音楽を普通に聴いたりしてるんですよね。
長門: たしかに、それはあるかもしれない。昔はビートルズとかストーンズを聴いている人は、ニニ・ロッソを“年寄りが聴くような音楽だ”ってバカにするようなところがあったけど. . . 今のひとはそんな先入観なんてないから。
塚本: もしかしたら今はそういう聴き方が自然になってるのかもしれないですよね。

長門: ネタンダーズのニュー・アルバムがリリースされて、今後はどんな活動を予定しているんですか?
塚本: 『“衝動”SYooDoo』のレコ発ライヴ・パーティーを9月末に東京と大阪で予定しています。それから、小島麻由美さんのフル・アルバムとSLY MONGOOSEのミニ・アルバムのレコーディングが現在、同時進行で進んでいます。
長門: 3枚目のソロ・アルバムに関してはどうですか?
塚本: 今のところ予定はないですけど、たまには自分で考えてみようかなと思っています。今までのソロ・アルバムは、プロデューサーに促されて、“じゃあ、やってみるわ”って感じで作ったんで、たまには自分で、いろいろ考えてみようかなって。ここ数年、ジャケットや曲順を決めるときも、「いいね」とか「どうかな」しか言ってないですから(笑)。こんなこと堂々と言っているのもどうかと思いますけど(笑)。もちろん音楽的な部分でのジャッジは自分でやっているんですけどね。
長門: では最後に、恒例の「はじめて買ったレコード」を。
塚本: はじめて自分のお金で買ったのは、遠藤ミチロウの『ベトナム伝説』と、さかなの西脇一弘さんが参加していたTHE GODという日本のインディーズ・バンドのアルバムです。でも僕らの時代はレンタル・レコード店ができはじめていたので、基本的にはレンタル中心でしたね。最初に借りたのはザ・モッズの『HANDS-UP』と、あとはマイケル・シェンカー・グループの『限りなき戦い』(笑)。それが中学2年生の時ですね。
長門: そこを入り口に塚本さんが、どんな音楽に影響されてきたのかを、ここからは作品を交えて紹介してもらいましょう。
〜塚本功さんの11枚〜

 「 VARIOUS ARTISTS
     / ATLANTIC RHYTHM AND BLUES 1947-1974 VOL.5(1962-1966) 」
  −黒人音楽に本格的にのめりこむキッカケになった一枚−
 僕は高校生の頃からリズム&ブルースを聴くようになったんですけど、最初の入り口になったのがこのレコードだったんです。シリーズで出ていてVOL.5とVOL.4を友達がアナログで持っていたので、それをカセットに入れて聴いていました。音質や曲の長さだとか、このアルバムの中に入っている曲が自分の中の基準になってしまいました(笑)。「WALKIN’ THE DOG」とか「MERCY MERCY」のイントロをギターでよく練習しましたね。

 「 マジック・サム / ウェスト・サイド・ソウル 」
  −自分の中の“ロック感”にしっくりきたブルース・アルバム−
 もともとロック・バンドのスタイルが自分の中の基準としてあったんで、最初にリズム&ブルースを聴いた時、管楽器の音が入っているのに、すごく違和感を感じたんですね。自分はあくまでもギターが主役の音楽にこだわっていて、そういう意味で、すごくしっくりきたのが、マジック・サムのこのアルバムだったんです。ギター&ヴォーカルで歌もシャウトする感じで。「I FEEL SO GOOD」をソロ・ライヴでよく演奏しています。

 「 バディ・ガイ / レフト・マイ・ブルース・イン・サンフランシスコ 」
  −代表作ではないんでしょうけど大好きなアルバムです−
 ブルースにハマって大学時代に聴きまくってたんですけど、聴いてるうちにブルース特有の3連のリズムに飽きてきてしまったんです。それで8ビートのブルースを探していたときに出会ったのがこのアルバムだったんです。ギターはもちろん、バンドのサウンドもすごく格好よくて。B.B.キングもそうですけど、ガッと強く弾いたり、弱く弾いたりする、押し引きのあるブルース特有のギター・プレイって、ビートルズの音楽では決して得られなかったものなんですよね。そういうところからも影響を受けています。

 「 JOHNNY“GUITAR”WATSON / UNTOUCHABLE! THE CLASSIC 1959-1966 」
  −ギターはもちろんヴォーカルにも、すごく影響を受けました−
 最初は泥臭すぎてなかなか入れなかったんですけど、突然、“声がいいな”と思うようになったんです。ミック・ジャガーへの流れに通じるような感じというか。高いキーでシャウトするのとも違う、自分の出しやすいキーで“ウエ〜”って歌う感じがすごく良くて。このアルバムでは2、3曲ジャズのスタンダードをやっていて、そのヴォーカルがすごくいいんです。要するにナット・キング・コールみたいな売り方をしたくて、そういう曲が収録されてるんでしょうけど、歌い方が完全にジョニー・ギター節なんですよね(笑)。バックに甘いストリングスとか入ってるんだけど、声は完全にヤクザな感じで(笑)。

 「 JOHNNY“GUITAR”WATSON
     / LISTEN + I DON'T WANT TO BE ALONE, STRANGER 」
  −何を取り入れても本人が全然変わらないのが凄い(笑)−
 70年代になってファンキーになり始めた最初の頃の作品です。これがすごくクールで、ネタンダーズの新作でいうと「汚い手でタバコを吸ってたんだ」とか、あのあたりの手法はこの作品とリンクしている部分がありますね。ジョニー・ギターには初期ギャングスタっぽい雰囲気があって、すごく憧れてしまうんです。新しもの好きな感じも、すごくおもしろいんですよね。平気で新しいサウンドを次々に取り入れていくんだけど、本人は全然変わらないっていう(笑)。

 「 THE TYMES / THE BEST OF THE TYMES CAMEO PARKWAY 1963-1964 」
  −コーラスものとかアカペラにもすごく興味があります−
 ここ最近、聴いたCDでいちばん良かった作品。このグループに関しては、ティモシー・シュミットとか、いろんな人にカヴァーされてる「SO MUCH IN LOVE」しか知らなかったんですけど、あの曲を急に聴きたくなって、このCDを買いました。コード進行もすごく凝っていて、いいなと思います。

 「 ALLEN TOUSSAINT
     / THE WILD SOUND OF NEW ORLEANS
         - THE COMPLETE TOUSAN SESSIONS 」
  −全曲インストで、音もイケイケで格好いいんです−
 高校3年生から大学1、2年の頃にかけて、このへんのレコードをどんどん買った記憶があります。このアルバムはうちの親が聴いていたディキシーとか、いわゆるニューオーリンズ・ジャズの流れを汲んだ作品で、アラン・トゥーサンがファンキーになる前の作品なんですけど、この時代のサウンドも好きです。ギターも誰が弾いているのか分からないんですけど、バンジョーっぽく弾いていたりして、すごくおもしろい。中島美嘉さんのバックでテレビ番組の『ミュージック・フェア』に出演したとき、アラン・トゥーサンと共演することができたんですけど、あれはすごく嬉しかったですね。一緒に「WHAT A WONDERFUL WORLD」を演奏しました。実際、会ってみたら噂どおりジェントルな人でした。

 「 LEE DORSEY / THE DEFINITIVE COLLECTION 」
  −ニューオーリオンズR&Bの楽しさが詰まった作品−
 初めてリー・ドーシーを聴いたのはP-VINEから出ていた『どれもファンキー』という邦題が付いたアルバムでした(笑)。途中、何曲か明らかにミーターズが演奏している曲があって、それがすごく格好いいんですよね。アラン・トゥーサンが来日したとき、楽屋でいろいろ話を聞かせてもらったことがあったんですけど、その時にもリー・ドーシーのアレンジのこととか教えてもらいました。僕はリー・ドーシーの「SO LONG」って曲をカヴァーしてるんですけど、それをアラン・トゥーサンに話したらすごく喜んでくれました。「この曲を知ってくれているだけでも僕は嬉しいよ」って。

 「 THE METERS / FUNKY MIRACLE(2CD) 」
 「 スライ&ザ・ファミリー・ストーン / 新しい世界 」
  −このミーターズのアルバムの曲は、たぶん全部弾けると思います−
 ミーターズにはギターの弾き方からアレンジまで、ものすごく影響を受けました。最初に聴いたのは、割とハードロックに近いようなファンクを演奏している『キャベッジ・アレイ』っていうアルバムで、それはそれで好きだったんですけど、大学に入ってから、知り合いに“本当のミーターズはそういうのじゃないよ”って教えてもらって。最初に聴いたときは、スカスカだなと思ったんですけど、今となってはこっちのほうがしっくりくる感じですね。ドラムも世界一好きです。
 スライにも、いろいろ影響を受けました。どのアルバムも大好きで、『スモール・トーク』とかピークを超えたあとの作品にもハマりましたね。スライの曲では「SING A SIMPLE SONG」をカヴァーしました。

 「 ハース・マルティネス / ハース・フロム・アース 」
  −自分のギター教室の課題曲にしています(笑)−
 高校生の頃、レンタル・レコード店をよく利用していたんですけど、近所に悪いオヤジがいて(笑)。いわゆるレコード・コレクターなんですけど、自分が持ってるレコードを300円でダビングさせてくれるんですよ(笑)。僕がザ・バンドが好きだっていったら、“ロビー・ロバートソンがプロデュースしている、こういうアルバムがあるんだよ”って教えてくれて。それがこのアルバムだったんですよ。僕、ギター教室をやってるんですけど、クラスの半分くらいの人が、課題で「ALTOGETHER ALONE」を演奏していて。みんな、この曲のギター・ソロを弾けますよ。

〜塚本功さんの11枚〜
VARIOUS ARTISTS
/ATLANTIC RHYTHM AND BLUES 1947-1974 VOL.5(1962-1966)
<輸入盤ATLANTIC 7823052>
マジック・サム
/ウェスト・サイド・ソウル
PCD-1801
バディ・ガイ
/レフト・マイ・ブルース・イン・サンフランシスコ+3
UICY-3431
JOHNNY“GUITAR”WATSON
/UNTOUCHABLE ! THE CLASSIC 1959-1966
<輸入盤 ACE CDCHD-1180>
JOHNNY“GUITAR”WATSON
/LISTEN + I DON'T WANT TO BE ALONE, STRANGER
<輸入盤 ACE CDCHD-408>
THE TYMES
/THE BEST OF THE TYMES CAMEO PARKWAY 1963-1964
<輸入盤 ABKCO 1877192342>
ALLEN TOUSSAINT
/THE WILD SOUND OF NEW ORLEANS - THE COMPLETE TOUSAN SESSIONS
<輸入盤 BEAR FAMILY BCD-15641>
LEE DORSEY
/THE DEFINITIVE COLLECTION
<輸入盤 BMG/CAMDEN 743216745128>
THE METERS
/FUNKY MIRACLE(2CD)
<輸入盤 CHARLY CDNEV-2>
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
/新しい世界
<紙ジャケット仕様>
MHCP-1303
ハース・マルティネス
/ハース・フロム・アース
WPCR-75431

  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談議が続いています。

塚本功さんのオーダー
ウィルキンソン
ジンジャーエール


    news!!

レコミンツPART-1にて、以下の塚本功関連CDをお買い上げの方に
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数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。

○ネタンダーズ/“衝動”SYooDoo \2,625(税込)
○塚本 功/Electric Spanish 175 \2,300(税込)
○塚本 功/Stompin' \2,500(税込)
○ピラニアンズ/ライヴ(復活中!) \2,000(税込)
○ネタンダーズ/サマーセッツ \2,415(税込)
○ASA-CHANG&ブルーハッツ/真冬の夜のブルーハッツ \2,000(税込)
○SLY MONGOOSE/MYSTIC DADDY \3,000(税込)

○ネタンダーズ
/“衝動”SYooDoo
 \2,625(税込)
○塚本 功
/Electric Spanish 175
 \2,300(税込)
○塚本 功
/Stompin'
 \2,500(税込)
○ピラニアンズ
/ライヴ(復活中!)
 \2,000(税込)
○ネタンダーズ
/サマーセッツ
 \2,415(税込)
○ASA-CHANG&ブルーハッツ
/真冬の夜のブルーハッツ
 \2,000(税込)
○SLY MONGOOSE
/MYSTIC DADDY
 \3,000(税込)

○THE HELLO WORKS/PAYDAY \3,000(税込)
○週刊 真木よう子 オリジナル・サウンドトラック \2,500(税込)

○THE HELLO WORKS
/PAYDAY \3,000(税込)
○週刊 真木よう子
オリジナル・サウンドトラック
 \2,500(税込)


※特典付き商品は、完売致しました。
『recomints PART-1』までご来店、もしくは通信販売にてご購入戴けます。
『recomints PART-1』の詳細はコチラ(電話番号もコチラでご確認戴けます)。
お気軽にお問い合わせ下さい。


■塚本功さん生演奏!

■『“衝動”SYooDoo』コメント







     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。

mints Barは、コチラのお店をお借りして、撮影しています。


ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階
Tel : 03-3387-7906



第三十七夜  おわり
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